母が亡くなった


母は三度ため息をついた

愛と感謝と許しを吐いて


母は

梅雨明けの夏の日照りに

辛抱強く頭を傾げる

紫陽花のようだった


それに私が思うより母は

人生を楽しんでいた

人にどう思われても


溢れる涙を

押さえることもせず

誰憚ることなく

私は母を愛する


いろいろごめんね

ありがとう


母は微笑んで旅立った

後悔のない場所へ