脳が覚えている
いつもお世話になっているメガネ屋さんを訪ねた。遠近両用に替えてから老眼の進みが一段と早くなり3ヶ月も経たない内にレンズを交換することになってしまった。
出来上がったメガネを掛けてみる。
「うーん」(^_^;)
やっぱり遠くがボヤけている。
私の反応に店員さんはレンズの度数を弱くしましょうかと丁寧に対応してくれた。けれども「遠」に問題があるのか「近」にあるのか、或いはどちらもなのか。衰えの顕著な体に戸惑う私はさっぱり分からない。半ば上の空で店員さんの話を聞いている。その時、店員さんが言い出した。
「脳が覚えているんですよ」
「?」
「以前のメガネで見ていた状態を脳が覚えているんです」
その説明に「あーそうなんだ」と何故だか分からないが納得してしまった。
新しいレンズに対応出来ないほど目の筋力が衰えていることは間違いないが「脳」という単語に「おお」と反応してしまう。
あくまでも個人的な見解だが、以前の記憶(?)が邪魔をしてピントの調節が儘ならないのだろうか。頑なに信じていた情報を「脳」は瞬時に捨て去る事が出来ないのか。
視力だけではなく様々な不要な思い込みを持つ私の「脳」は簡単にはそれを捨て去る事が出来ない。決して消え去ってくれない。
ああ、どうしよう。
「それなら脳がこのメガネに慣れるまで掛けてみることにします」そう笑顔で答えてみた。
「気をつけてくださいね」店員さんは気遣ってくれた。
店を後にし車に乗り込んだ。案の定、近くにばかり目が行き遠くは意識しないとピントが合いづらい。
それでも新しい環境に慣れるため私の「脳」は今日も頑張っている。感謝。
読んでくださってありがとう
今日も明日もよい日でありますように