東京に居ると、時々、とてもワンダフルな出来事に遭遇する。


ペーパードライバーの私は、

山手線で仕事先に向かっていた。

入り口はいってすぐ、奇妙な光景を目にする。


20代後半くらいの男の人。

ピンクの毛糸のパンツにへそ上から切った白のタンクトップ。

(よく見なかったが、何かマジックで文字が書いていた)

お腹は丸見え、外に出る格好とは思えず・・・。

坊主頭に、キューピーちゃんのような前髪ともみ上げがちょこっと。。。


私は思わず車両を変えようとしたが、

ふと考える。


・・・・・・この人は一体、世間に何を訴えようとしてるのか?

・・・・・・この寒い中、ここまでして身を曝しているのは何故?


もしかしたら、×ゲームだろうか・・・。

なんだか解らないけど、特に人に攻撃などかけそうもなく、

下を向いているその人はなんだか心の傷を訴えてるように感じた。


まあどんな理由があるにしても、

私には解るわけもなく、

また聞くほどの勇気もない私は目的地で降りようとしたその時・・・・

片言の日本語での罵声が聞こえる


『アンタ コドモジャナイヨ ナニシテルンダ ○×△○×△・・・バカヤロウ!!』


私は振り向いた。

人ごみでよく見えなかったが、

ピンクパンツ君は、どうやら黙って下を向いているようだった・・・。


なんだか切なくなった。

確かに見る人は不快になる人もいると思うし、

(私も逃げようと思ったし・・・)

外人さんが怒るのも無理はない。

もっと彼は他の方法で自己表現出来なかったであろうか?

それとも彼にとっては最善の方法だったのか?


好奇の目にさらされる自分をどう思ったのだろう。

胸は痛むのか。

それとも、快楽なのか。


私には解らないけれど、

今日の残りのあと少しの時間に、

彼に心温まる出来事がありますように・・・・。