さて、最終日。

午前中もハイスピードで色々な場所で撮影。

そして、午後。

最後のシーン。


秋の日差しは、昼過ぎでも、もう赤く輝いていた。


着物を着終えた私は、先生がスタンバイする旅館の庭に立つ。

そこで、先生一言。

『はい、泣いて!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


私は泣いた。

本当に切なくなった。

女に産まれたことが。


女というどうしようもない生き物。

強くて弱くて、儚くて切なくて、ずるくて素直で。

女に産まれたこと、嬉しかったり悲しかったりする。

女が好きだったり嫌いだったりする。


私はなぜ、今ここで、こうしてるのだろう?

何をしようとしてるのか。

何がしたいのか。

どうして、女に産まれてきたのだろう。


先生は泣いてる私をからかいながら、

ファインダーを見る目は真剣だった。


撮影の最後というのは、恋の終わりのようだ。

同じメンバーで寝食を共にし、

日常では有り得ない濃い時間をみんなで過ごす。

私はその期間が大好きで、

いつも撮影が終わらなければいいのにと思う。


でも、終わりがあるから、一瞬が輝いてみえるのだろう。


帰り。

四人だけ、また電車で帰る。

帰り、またGさんと話してたら、

東京駅に着くちょっと前に、先生が席にいらした。

私は、先生の今までの作品について質問攻めにした(笑)

先生は私の質問に答えて下さった。

私は、たった二泊三日しか共にしてない私に、

普段話さないであろうエピソードを話して下さったことが嬉しかった。


私は思う。

『篠山紀信』がどんなに写真を愛してるか。

片鱗でも見せて頂けた私は幸せだと思った。


写真集は私の手元にもまだ届いていない。

どんな作品が出来上がっているのか、

私自身楽しみです。


P・S

今回、他の地方サイン会行けなくてごめんなさ~い!!

なかなか行けなくて、ごめんね。。