朝、僕が目を覚ますと、そこは自宅の廊下でした。
私は中学時代、軽く夢遊病の気があったので「あー、ひさしぶりに寝ぼけたかあ」と思ってとりあえずトイレに入って用をたして、さて日曜日だし一度顔を洗ってから二度寝でも決め込んでやろうと思ったのですが、顔を洗うために洗面台に立つと
「おう?」
私の顔は明らかに泣きはらしたあとのそれでした。
なんぞなにごとぞ。
不細工に拍車がかかって、可能であるなら自分の顔にモザイクをかけてしまいたいレベルです。
それはそれとして、はて、昨晩泣いたような記憶は一切ありません。
というかあれ。
昨日の夜、家に帰った記憶がありません。
昨日は高校時代の友人たちとお酒を飲んでいたはずです。
つまり
「やらかしたのか」
気づくと頭がガンガン痛み、胃からは酒の匂いがムンムンします。
人生二度目の二日酔い。
一度目は大学一年生の頃に、高校の友人宅で行われたクリスマスパーティでしこたま酒をのんだときです。
あの時の方が眩暈や吐き気などの症状は重かったように思いますが、記憶と理性はしっかり保っていました。
父におそるおそる昨日の僕の様子を聞くと恐ろしい言葉がポンポン飛び出しました。
曰く、
僕は深夜一時ごろに友人三名に支えられ、泣きながら帰宅し
「俺にも友達がいた」
などとわけのわからないことをしばらく喚いたのち廊下で崩れ、そのまま寝ていたようです。
全く記憶がないというのは本当に恐ろしいものです。
酒を飲んだのも覚えていますし、みんなと店を出たのも覚えています。
そこから記憶が薄まっていき、なんだかぼんやり覚えているのは、自宅マンションの前あたりで僕がうずくまり、「大丈夫だよー」と言いながら女の子が僕の背中をさすってくれていたような。
口と胃の感覚から吐いてはいないようですが…。
そもそも、自分で言うのもなんですが、僕はかなりお酒には強いほうで、吐いたことも気を失ったこともたったの一度もなかったのです。それが何で急にこんなことに!
おそらく前日、私にしては珍しく深夜まで作業していたため、体調がすぐれていなかったのでしょう。
自覚はありませんでしたが。
いやそんなことはどうでもよくて。
いったい私は何を口走ったのでしょうか。
私を解放してくれた三人にはLINEで謝罪したのですが、詳しいことは教えてもらえず、また詳しく聞いてしまうのも恐ろしく、わかったのは私が泣いていたことだけ。
まさか21歳の誕生日を迎えたわずか二日後に人前で泣くことになろうとは!
男女平等を貴ぶ僕ですが、やはり男たる者、やすやすと泣いてはいかんのです。
一寸の虫にも五分の魂。一介の小鹿にも大和魂。であります。
そしてなにより、やはり人に迷惑をかけてはいけません。
まして、酒をのんで理性を捨てて人に迷惑を掛けるなど、21世紀の日本をいきる文明人としてあってはならぬことであります。
普段から情けない生き方をしている僕ですが、これほど恥ずかしい思いをしたのは生まれて初めてです。
「懲りずにまた誘ってね」とLINEで伝えましたが、なんとなく次に飲み会があったとしても行きづらい…。
というかなんならもう誘われないかもしれません。
そしていっそそのほうが僕のためによいのかもしれません。
やはり私のような小鹿系男子は家でじめじめと買ってもいない宝くじが当たることを本気で祈っているのが正解であるようです。6億あればなあ。
やはり世界は内側に広げるものなのです。
失敗の話ばかりしていてもつまらないので6億の話をしましょう。
6億円あれば働かなくても生きていけるどころか、黒髪の乙女を養うこともできるでしょう。
素晴らしいかな6億円。
当たらないかな宝くじ。
宝くじであることにはもちろんこだわりません。
しらないおじいさんの遺産がころがりこんでくるとかでも全然OKです。
ただひとつ問題なのは僕に養われてもいいなと思っている黒髪の乙女が一向に目の前に現れないことです。
いまいずこ?
さて、自戒の意味をこめて久々にブログを更新しましたが、そろそろ寝ることにします。
とりあえず、お酒はこれを機会にスパッとやめることにします。
付き合いで飲むときも、必ず三杯までにします。
寝よう寝よう。おやすみなさい。
