正直清兵衛さんと呼ばれる屑屋の清兵衛さん。貧乏長屋で粗末な着物を着ているけれど品のいい娘さんに呼び止められ、ついていくと父親は子どもたちに素読を教えたり夜は占いをして生計を立てている千代田卜斎という浪人で風邪をひいて仕事ができずに困っているので古い仏像を200文で買ってほしいと言う。正直清兵衛さん、自分は目利きではないので屑以外は扱わないと断るがどうしてもというのでそれなら200文で買って高く売れたらその分を半分ずつ分けるということで預かることにする。 背中の籠に入れて歩いていると細川家の家臣が住む長屋の二階から声をかけられ3百文で仏像が売れた。ところがそれを買った若侍が薄汚れた仏像を磨かせていたところ、底の紙がはがれて中から紙包みが転がり落ちてきた。開けてみると小判で五十両の大金。 これも正直な細川家の若侍高木作左衛門、買ったのは仏像で中の小判は持ち主に返すと、屑屋を探させる。