EPISODE3 運と勇気と行動力 | Kojiの腫れに腫れたリンパ腺2 -Battle of UK-

Kojiの腫れに腫れたリンパ腺2 -Battle of UK-

ビザ抽選に当たったというフォースの導きと思いつきで日本を飛び出し英国に攻め入ることになった著者。
果たして彼は運と行動力だけで紅茶とステッキの似合う英国式Perfect Gentlemanとなり、無事帰国することが出来るのか・・・

さて、みなさんお元気ですか?

私は色々あって全体で見るとプラス!みたいな生活を送っております。

ここ数ヶ月間更新が無かったわけだがロンドン生活が楽しすぎてブログを書かなかったんだろ、こいつはと思っている方が多々いるのではと思う。

違う。

ただ仕事が忙しかっただけというしょうもない理由からなのだ。

そしてその間にいろんなことがあった。
村上春樹の本の主人公くらい色々あった。

そのため放置していた分過去のことを振り返らなければならない。

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18人部屋の犬小屋生活の間、オレは迷っていた。

ここに住み続けるか新しい宿を見つけるかである。

確かにこの犬小屋は安いがバス代電車代がバカにならない。

違うところに行けば住みやすいかもしれないがその場所自体が見つからない可能性もある。

チャイニーズフードをもぐもぐ食べながら、側から見たらどう見ても悩んでない顔で散々迷った末この犬小屋に住み続けることにしたオレはフロントに出向いた。

「すみません、宿泊延長したいんですけど。」

「すみません、ネットから予約を取ってください。」

めんどくせぇ!!!

ここにオレ本人がいるだろ!

仕方なくサイトを開いたが予約サイトが開かない。

「すみません、予約取れないんですけど。」

「今うちのサイトに問題あって今予約取れないんです。」

どうしろって言うんだよ!!!

「え、じゃあということは今現在世界中の人間がこの系列の宿取れないんですか?」

「そうですね。」

そんなわけあるかい!!!サイバーテロにでもあってるんかいおまえら!!

結局2日後オレがこの犬小屋を出るときには宿無しの状態であることだけがとりあえず確実であった。

渡英して1週間でホームレスという有様である。

ホームレスはさすがにまずいということで一階のパブでWi-Fiをつなぎ必死に探したところ2日はしのげそうなところを予約することができた。

はいオッケーオッケー2日は生きられるよ!と超楽観主義のオレはシャワーを浴び、その2日間以降の宿を探すことも無くそのまま街へ出かけた。

なぜならその日の夜はオレの友達(アキ)の友達の友達という存在しているのかしていないのかわからない都市伝説みたいな存在に会い、一緒にライブを楽しむ予定であったからである。

しかしあいにくその日は雨。

天パもくるくるで朝から早速ご機嫌斜めである。

昼ご飯をレストランで食べるお金もないオレはスーパーで買った1つ70ペンスのパッサパサのチキンを軒先で貪り食っていて、しかも道に迷い、とんでも無く惨めな気持ちになりながらもやっとライブハウスに着くことができた。

その友達の友達の友達によると、今夜ここでパンクロックのフェスが行われるようである。

さてお金のないオレにとって大事なのはお酒の値段である。

こっちの物価は高い。

何かを買おうとしたときに数字を見て安いな~と思っても頭の中で「×160円」と日本円換算をして毎回驚くほどである。アメリカにいた時の「×80円」と比べると倍である。

そのバーに入ってメニューを一通り見てオレはある飲み物の値段設定に目が釘付けになった。

Tequila 3shots £5

安い。一杯270円だ…

日本の価格を考えても安い。

その日無事に友達の友達の友達に出会い散々ライブを楽しみ、イタリア人の女の人に話しかけられやたらと話した頃には、テキーラ12杯とビール5杯を飲み終えていた。

時刻は2時。

ふらふらのまま間違えたバスに乗り、散々街を彷徨って結局イギリスの紳士にタクシーを拾ってもらって帰れた。

翌日に仕事の面接を控えてこの有様である。

忘れてる人いると思うけどオレ今ワーホリでロンドンに行ってるんだからね!

さあみんな、仕事の面接行く時何着ていく?

そう、スーツだよね。やっぱりスーツを着ると心が引き締まる。

そのためオレはわざわざ日本から恐らくロンドンでは一度しか着ないであろうスーツをバシッと着込み、お気に入りのネクタイをズバッと付け、軍人ブーツをジャキーンと履き、生えていた無精髭をジョンジョリンと剃って颯爽とレストランへ向かった。

ちなみにこっちの履歴書はCVというのだが、日本の履歴書のテンションで書くと落ちるという噂である。

オレこんなん出来ます!
オレこんな資格持ってます!!
オレを取らないと損です!!!
死にますよ!!!!
てめぇ死にてぇのか、この野郎!!!!!

くらいのテンションで書かなければならないようである。

だからなかなか盛った。

嘘は書いてないが盛った。

ラーメン二郎くらい盛った。

その結果凄腕の人間のCVが出来上がったことは否めない。
あとから読み返したけどこいつは本当にオレなのか?
(そのCVは日本からすでにメールで送ってあり、オレが4月前半日本でヘラヘラしている一方このレストランサイドでは何やらすごい奴が来るらしいと噂が持ちきりだったそうである、あとから聞いたけど。)

店に入り日本人のマネージャーと挨拶を交わしたあと、彼女はこう話した。

「CV見ました。」

「(ふふふ、凄腕だろ。もしかしてオレのことジェームスボンドだと思ってるんじゃないか?ん?)はい、ありがとうございます!」

「レストランで働いた経験はありますか?」

「。。。ありません。。。」

ジェームスボンド、オープニングテーマが終わる前にまさかの爆死である。

しかし少しだけフレッシュネスバーガーで働いていたこと、ロンドンにあるちゃんとした日本食レストランに興味があること、日本食を愛していることを頑張ってアピールした結果、なんとかトライアルの機会をもらえることに成功した。

背水の陣とはまさにこのことであった。

何しろ仕事なんてすぐ見つかるだろとこれまた超楽観主義のオレは2社にしかCVを送っていなかった上に面接の返事をもらえたのがこのレストランしかなかったからである。

そこらへんの運が異常にいいところがオレのダメなところでもある。

面接を終え、レストランを後にしたオレの頭の中には、オレの肋骨を3本持ってった新潟時代の会社の課長のセリフが響いていた。

「内藤、人生をなめるな。人生はそんな楽なもんじゃない。」

課長見ててくれ。

人生はそんな苦い顔で語るもんじゃねえ!

こうしてオレのワーホリ生活はこの日本食レストランCHISOUで始まろうとしていた。

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