先日テレビで健康体操教室のカリスマ講師についての番組がありました。

高齢でありながら講師をしていると言うことでしたが、内容を見るととても理にかなったものすごく良いものでした。

脳への刺激から神経系、筋肉の連動性、バランス能力など、しっかりと考えられた体操やストレッチとなっていました。

ただ気になったのは、やはり教室なので受講者皆が一斉に同じ体操をするということで、明らかに身体の状態が良くない人が無理に合わせようとしていたことです。

慣れない体操だからとか、体力が落ちちゃってて上手くできないとか、少しきついなーといった程度なら問題ないのですが、腰や骨盤が曲がっている人が無理してまっすぐ伸ばしていたり、膝の悪そうな人が片膝を庇いながらスクワットしていたりと、余計に身体を痛めてしまうのではないかなと見られる部分もありました。

健康体操。健康教室。
身体に良いことを皆で一緒にやろうというコンセプトは分かりますが、人によって身体の状態は違うので、本当に健康のことを考えるなら、本来は一人一人に合わせた体操を指導すべきです。

身体の左右バランスが悪いとしたら、左右同じように体操をしてもバランスは悪いままです。

そんな時はまずはバランスを取るための体操や施術をしてバランスを整えた上で、脳神経筋肉のための体操をするのが好ましいです。

骨盤や腰椎の状態が悪い状態で無理に健康体操をするよりも、まずは骨盤や腰椎の状態を良くしなければ、健康体操以前の問題です。

中には健康体操をする事によって自然にバランスが整ったり不具合が改善する人もいるはずで、健康体操が良くないという事を言うつもりはありませんが、それぞれの人の状態によっては合わない事や悪化させてしまう事もあるので注意が必要です。

改めますが、健康体操を否定するつもりは全くありません。
健康な人が健康を維持するためにはものすごく良い手段だし、少し不調気味の人にとっても体調改善には役立つはずです。

が、やはり身体の状態によっては健康体操が健康被害をもたらすこともあるので、一途に健康体操を信じきるのはやめましょう。

私も健康体操の講師を何回かやったことがありますが、皆と一緒に進めていくうちに、この人は腰がヤバそうだから無理させない方がいいなとか、膝が悪そうで危なそうだなとか、この人全然できてないなーとかありました。
でも一人に時間をかけたり、一人のためにメニュー変更などできないので、結局は出来る人は出来るけど、それ以外の人は中途半端で終わってしまったなどありました。

そんな経験のおかげで今は一人一人をしっかりコンディショニングできるように、パーソナルトレーニングの個別指導に力を入れています。