競輪選手兼パーソナルトレーナーの平岡です。

最近はトレーニング指導よりも総合的な身体の調整、コンディショニングの依頼が多くパーソナルコンディショナーとしての仕事の方が多いですね。

今回は関節痛のお話。
現代人は便利になった世の中のお陰で、人間が本来持っているべき能力や体力が低下しています。

仕事や生活習慣などでも、偏った姿勢での長時間の作業や、決まった動作の繰り返しなどにより、身体のバランスが崩れている人も多くいます。

そんな現代の人達は何かと関節痛に悩まされている方も多いでしょう。

関節痛にも原因は色々ありますが、
骨の変形や関節炎、神経の異常といった場合は治療が必要になるのでまずは病院へ行くのが1番です。

病院で検査してもレントゲン上異常が無いときや医者の判断として治療が必要ではない場合。

それなのに関節が痛いといった場合は
運動不足による筋力の低下
疲労による筋肉の過緊張、コリ
関節を支える筋バランスの崩れ
などの原因があります。

そんな時にトレーナー&コンディショナーの出番です。

簡単に言うと、
筋力が低下して、筋肉が緩んでしまい、関節を支えられなくなっている場合は、筋肉をエクササイズして引き締めて力が入るようにしてあげます。
緩んでしまっていた筋肉を引き締めてあげます。
それにより関節が安定して不具合が解消されます。

逆に筋肉が硬くなりすぎて関節に負担をかけている場合にはストレッチやマッサージをして筋肉を緩める、ほぐす、などして関節が柔らかく動くように調整して不具合を改善します。

さらに一方は緩んでいて、反対は硬くなっているなど、バランスが悪い時は、エクササイズ、ストレッチ、マッサージを駆使して筋バランスを整えて改善します。

この考え方は物理的にも当たり前ですよね。

例えば
扉の開け閉めに不具合があって、それが硬い場合にはネジを緩めてあげる。
ガタがある場合にはネジを締め付けてあげる。
状況に合わせて処置するのが当たり前ですよね。


ここからが今日の本題。
関節痛の改善のためには、状況に合わせて何をすべきかを考えなければなりません。

しかし、
テレビなどで腰痛改善ストレッチや、
膝痛を治すためのエクササイズなど
見たことがありませんか?

腰痛改善ストレッチ?
膝痛を治すエクササイズ?

さっき言ったように関節痛は原因により改善策が違ってきます。

腰が痛い原因が
筋肉のゆるみ、筋肉の伸びすぎである場合。

腰のストレッチをしたら、さらに筋肉が緩んで伸びて悪化します。

扉のネジが緩んでガタガタしているのに、扉を直しましょうと言ってネジをゆるめたら余計に悪くなりますよね。

だけどテレビでは、腰痛の原因は無視して、
スタジオのタレントさん、視聴者全員に向けて一斉にストレッチをやらせます。

ストレッチをすべきでない人にまでストレッチをやらせます。

膝痛エクササイズの時も一緒です。
人によってはやった方が良いけど、人によってはやるべきでないことを、そんなのは無視して全員にやらせて、全員に効果があるような編集をすることもあります。

テレビに限ったことではありません。
一般の人にとっては腰が痛いとき、何が原因でどうすれば良いか分からないと言うのが現実だと思います。

腰が痛いからマッサージへ行って、ほぐしてもらおうと考える人もいるでしょう。

でも筋肉のゆるみが腰痛の原因であった場合、マッサージで揉みほぐしたら改善どころか悪化します。
しかし、筋肉が凝り固まって痛い場合はマッサージはすごく有効だと思います。


腰痛に悩まされているからスポーツジムへ行って腰の筋肉を強化しよう!と。

これも筋力の低下が腰痛の原因であればトレーニングして鍛えるのは正解です。

でも筋肉が硬くなっていたり、バランスが悪さが原因で腰が痛い場合、トレーニングにより、さらに筋肉が硬くなる、さらにバランスのズレが大きくなるなどして悪化することもあります。

本気で関節痛の改善をしたいなら適当じゃダメなんですよね。

関節痛の改善は状況によって方向性が180度違うこともあります。

鍛えた方が良い場合、ダメな場合。
ストレッチした方が良い場合、ダメな場合。
マッサージした方が良い場合、ダメな場合。

ダメな場合これをやってしまうと、悪化することがあります。


まず関節が痛いと思ったら病院、整形外科へ行く。
治療が必要であれば医師に従って治療に取り組む。
治療の必要が無い、もしくは治療が終わっても関節の具合が悪い場合は、自分の状況に合わせて改善に必要なことをする。

そのためには知識のある整体師やトレーナーにしっかりと相談する。

人の身体は皆それぞれ違います。

他人の身体は他人の身体。

自分の身体は自分の身体。

他人にとって良いことが、自分にも良いとは限らない。

そこをしっかりと考えて健康に取り組んでいきましょう。