- エヴァンゲリオンの魅力とは?
エヴァンゲリオンってオタク界隈のカリスマアニメという感じで、わたくしが小学生から中学生くらいのころにめちゃくちゃ流行りましたね。
当時はわからなかったのですが、今回鑑賞して「エヴァンゲリオンは謎を謎のままで放っておくのが魅力」なアニメだなと思いました。
「意味はわからないけど引きが強いので続きを見たくなってしまう」というアニメ。
それがついに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』によってすべてがネタばらしされてしまったのです。
- エヴァンゲリオンのあらすじはこうだった!
すごい話なのですが、エヴァンゲリオンの場合あらすじを語ってしまうとネタバレになってしまうのではないでしょうか? 「なんでこうなってるの?」「このキャラクターはなんの話してんの?」と推測するのが楽しいアニメなのだと思います。
なのでわたくし一視聴者の解説を読むことで夢が壊されると思う人もいるかもしれません。
ネタバレ注意かもしれません。
しかしあらすじをつかむとエヴァンゲリオンは一気にシンプルな話になるのでわたくしなりに解説したいと思います。
- ノストラダムスの大予言のアニメ化
ノストラダムスの大予言というのがありまして、「1999年7の月に人類が滅亡する」という言説が大ブームになりました。
エヴァンゲリオンもこの類です。聖書に書かれた終末論通りに人類が滅亡する、という話なんですね。
「神の裁きによって、人類滅亡のために使徒が地球に送り込まれた。その神の裁きに抗って人類が生き残ることができるのか?」がエヴァンゲリオンのあらすじだと感じました。
ゼーレがどうやって神の裁きを対処するか話し合う組織、ネルフが神と戦える新型兵器エヴァンゲリオンを扱える組織、ということでしょう。
その終末論に加えて『幼年期の終わり』などSF小説の古典に大きく影響を受けていると感じます。
- じゃあエヴァンゲリオンってなに?
わたくしはそれほどファンでもないので正確かどうかわからないのですが、エヴァンゲリオンはどうやら使徒――神の奇跡的な生物・テクノロジーをそのまま流用したのか、解析して人類で扱えるようにしたのか――で作られたものでしょう。
神の裁きによって現れた敵を使った神の化身なので強いし、奇跡を起こすこともできる――そういうことだと思います。
その他、人類の使う謎のテクノロジーもそうやって手に入れたものでしょう。
- ゲンドウはなにやってる?
このエヴァンゲリオン世界の普通の人たちがなにをしたいかというと「よくわからない敵を倒して生き残りたい」ですよね。これがゼーレのような権力者になると「神の裁きとどう向き合うのか」になると思います。
しかしゲンドウは「神の裁きを受け入れてでも亡き妻と魂を一体化したい」というような理由で反旗を翻すわけです。
- 末端の中学生パイロットが主人公で、その目線で語られるから全体像がわかりにくい
あらすじ、エヴァ、ゲンドウの行動など、いくつかの要点を押さえておけば、疑問に思うことがほとんどなくなると思います。よくわからない言葉や現象があってもディティール――つまり細部の作りこみであって、エネルギー弾をかめはめ波と名づけるようなものです。「死海文書? 古い聖書で終末論の予言が書かれている設定なわけね。つまり予言書のことだ」というように。
主人公がわけもわからず戦うことになる中学生であったり、あらすじを隠し、ディティールを際立たせるのがこのアニメの面白さの一つだと思います。中二病に刺さるディティールですね。
- 映画そのもののできは?
わたくしが観た限り、完全にテレビシリーズの特に前半のほうが面白いと感じました。
映画版はテクノロジーが進歩しただけで、戦闘シーンや映像表現にあまり魅力がないと感じました。しかもそのテクノロジーを使った部分が不自然で好ましくない、と思いました。
エヴァンゲリオンの魅力的な戦闘シーンというと、エヴァが無抵抗でやられたあと暴走し出して咆哮、使徒をぐちゃぐちゃにやっつける、というようなテレビアニメ版での表現でしょう。
映画版の真っ赤な画面で小さな雑魚敵を蹴散らす戦闘シーンに魅力はないし、演出面での物足りなさがありました。もう少し納得できる敵、戦闘シーンがあれば救いがあったかな、と思います。あと長い。
とはいえ完結させることに意味があったと思いますし、庵野秀明以外の人物が作ってもファンは納得しません。
どんな内容であれ「これがエヴァンゲリオンだったんだ」と納得するしかないですね。