三重県鈴鹿市の社会保険労務士・小岩広宣です。



今日のような静かな陽気の日曜日には、ひとり貝になって考えに耽るという人も多いでしょう。これからのビジネスの方向性について自分のアイデアをまとめたり、まさに直面している課題に対して意識決定を行ったり。忙しいビジネスマンにとって、職場を離れてひとりになれる日曜日は、貴重な思索のひとときです。


でも、あれだけ根をつめて考えぬいた結論なのに、なぜかうまくいかない、予想に反してまったく逆の結末が待っていた、ということはないでしょうか。それどころか、直視すべき真実がまったく見えていなかったとか、結果としてありもしない事実を捏造していたとか・・・。


『まさか!?』




「人は意識決定するとき、自分は特別な存在だと考えている。だが、そこには判断を誤らせる罠が待っている」。


「ウォール街で最も影響力のある人物」の1人に選ばれ、コロンビア・ビジネススクールで教鞭をとるマイケル・J・モーブッサン著『まさか!? 自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠』。


「自分だけは、きっとうまくいく」。こんな甘い期待と人間が陥りがちな思考特性が、事実の把握や、正しい選択肢の判断、より良い行動の見極めを狂わせるのだと、モーブッサン氏は指摘するのですビックリマーク




本書によれば、人間が陥りがちな意思決定の罠には、つぎの8つの類型があります。



1 「自分だけはうまくいく」と楽観的に考えてしまう。


2 他の選択肢や代替案が見えなくなる。


3 自分で判断せず、専門家の意見を鵜呑みにしてしまう。


4 周りの状況に影響されて、意思決定してしまう。


5 「木を見て森を見ず」の状況に陥ってしまう。


6 状況を把握せずに、「理論」をもとに因果関係を予測してしまう。


7 「突然襲ってくる大規模な変化」を考慮に入れていない。


8 運と実力の関係を見極めず、すべてを結果で判断してしまう。




ドキッとくるような項目ばかりではないでしょうか。著者によれば、これらは「頭のいい人ほど陥る罠」なのです。


「頭がいいとされる人も、実は頭の中の構造は一般人である私たちと大して変わらない。人間の頭の中は、そのままでは今日の世の中に起こる問題に対応できないのだ」。


その処方箋としては、問題についてもっとクリアに考えることでミスを減らす方法と、他人の過ちから学んでそれを自分のチャンスに活かす方法があるのだといいます音譜




まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠/マイケル・J・モーブッサン
¥1,890
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優秀で努力家であるビジネスマンであるからこそ、陥ってしまう「自分だけはうまくいく」という思考。そして、私たちは自らが認識している以上に、周辺の状況や変化、過去の事実や認識に影響されているのだという現実。これらの具体的なパターンとそれに対する解決策をここまで詳細に渡って教えてくれるのは、本書をおいて他にないと思います。


日々の慌ただしい業務の中で、判断や意思決定を求められるビジネスマンには、必須の1冊だと思います。




本書は、アル・ゴア元副大統領やダライ・ラマ14世の同時通訳も務められた知人の同時通訳者・関谷英里子さんによる訳書。関谷さんは、多くのビジネスマンがバイブルとしている『ビジネスパーソンの英単語帳』の著者でもあります。


訳書は難しいというイメージを持つ人も多いと思いますが、そんな関谷さんの手による日本語訳なので、とにかく読みやすいのが本書です。私も1か所も引っかかることなく、普通の日本語本と同じペースで読めました。まさに目から鱗の1冊ですニコニコ





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