三重県鈴鹿市の社会保険労務士・小岩広宣です。
外に出ると、散り桜が舞って、地面はピンクの花びら一色です。おそらく今週いっぱいで、今年の桜も終わりですね。
咲く桜よりも、散る桜の方が美しいという人は多いですが、綺麗な花の命の短さと、人の一生の儚さとが重ね合わさるものです。
新たな春の舞台に立った人たちを祝う桜の花が散ると、いよいよ新たな一歩を踏み出さなければなりません。
散る桜は、美しい春の競演の終わりであるとともに、新たな挑戦へのはじまりを意味するものでもあります。
そんな季節におすすめの本。
知人の原マサヒコさんが書かれた『人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた』です。
私も昨夜じっくりと読みましたが、書斎でひとり涙してしまいました
原さんは、「平民宰相」といわれた第19代総理大臣・原敬の子孫。
幼いころから病気に悩まされ、人間付き合いにもコンプレックスを持つ日々。高校時代の成績はビリからNO1で、次第に学校にも行かなくなり、親からも勘当されてしまいます。
しかし、クルマに対する思いと情熱は誰にも負けず、誰よりも早くクルマの免許を取ってからはクルマ漬けの毎日。
そして、自動車整備士の資格を取ってトヨタ自動車に入社。
- 人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた/原 マサヒコ
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
この本は、失敗と挫折を繰り返しつつ、数々の逆境を乗り越え、ついには「トヨタ技能オリンピックNO1」の座に上りつめた原さんの実話です。
多くのコンプレックスに悩み、プレッシャーに押しつぶされそうになりつつも、自分の信じる道に向けて覚悟を決めた、ひとりの青年の織り成す物語。
フレッシュマンや新天地に乗り込んだ社会人が読んでためになる本は数多くありますが、その多くはやはり知識や理論を身に付けようという視点で書かれた本。だから、なかなか工場や屋外で働く現場肌の人たちには、馴染みません。
でも、この本は、ひたすらクルマの整備工場という現場で、繰り広げられる物語です。だから、理屈でなく、「感覚」で伝わるメッセージが凝縮されています
新たに社会に出た原青年が、何を見て、何を考え、何に悩み、何に苦しみ、何を学び、何を得て、何を勝ち取ったのか。
物語を読み進めるうち、ぞくぞくするほどに、人間が忘れてはならない「本質」が伝わってきます
散る桜をよそに、新たな覚悟を決めるこの季節だからこそ、読みたい本。
「現場」で働くすべての人に、読んでほしい1冊です