会社経営をしていると、しばしば次のような悩みにおそわれないでしょうか。


でっかい目標を掲げてがんがん会社を成長させていきたいけど、やっぱり何よりリスク管理を大切にしなきゃ。大きなことをいっても、それが容易に実現できないほど困難なことだったら、かえって会社が危機に陥ってしまう。あくまで夢を追いかける部分と、しっかり堅実な経営を目指す部分。このあんばいが難しいなぁ。


うちのような小さな会社には、正直なところ、なかなか優秀な人は来てくれない。だから、もちろん従業員にはしっかり期待したいけど、あんまり過大な期待をかけると空回してしまったり、負担になって投げ出してしまうこともあるから、接し方が難しいなぁ。人が育たないと、会社も発展しないんだけど。



こんな悩みの声を聞くとき、私の頭の中に思い浮かぶのが、「自己効力感」と「ピグマリオン効果」。


人は、自分自身がどれだけできるかという予測の程度にしたがって、その行動の成果が左右されるに過ぎません(自己効力感)。


そして、人は、教える側、仕事を任せる側の期待が大きければ大きいほど、その期待に応えようとして、成果が挙がりやすくなります(ピグマリオン効果)。




こうやって考えると、もちろん、めちゃめちゃなリスクを背負うほどの大きな目標は問題ですし、あまりにも極端な性善説に立って人を信用しすぎるのもときに問題ですが、こと経営者のメンタリティーとしてとらえるかぎりでは、基本的には楽観的、前向き、ポジティブに前進していった方がいい。


そもそも経営に失敗はつきもの。失敗は成功のもとです。どのみち、小さな失敗を重ねることをつうじてしか、会社の成長、発展がありえないのなら、やっぱりピュアでアクティブな発想の方がいい。




「こんなに大きな目標を掲げたって、うちの会社じゃとても実現できない」、「うちの従業員じゃ、今すぐ期待したって、そうそう成果は挙がらない」。やっぱり、こんな発想や会話は、経営者には禁句ですね。


今すぐには困難に思えることでも、一途に志を立てて頑なに挑めば、決して不可能なことなんてないはず。これを身をもって示していくことが、経営者の使命なのではないかと私は思っています。




私も、素晴らしい志を持つ経営者がでっかい目標を叶えられるよう、人事や労務の分野の専門家として、しっかり経営者を支えていきます。これが、私たちの仕事の醍醐味。


そして、私も小とはいえ一経営者として、これからもしっかり夢を追いかけていきますニコニコ





(解説)


「自己効力感」とは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念。ある状況において行動を起こすとき、自分が適切になしとげられるかという予期および確信のこと。ある行動がどんな結果をもたらすかという結果予期と、どんな行動をとればよりよい結果が出るかという結果予期がある。

「ピグマリオン効果」とは、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱した概念。教師の期待の程度によって、学習者の成績が向上すること。「ピグマリオン」という名称は、ピグマリオン王が恋焦がれ続けていた女性の彫像が、神の力によって人間の女性に変身したというギリシャ神話に由来する。




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