(子持権現行場から石鎚山を望む)

 

 

 

 

石土山入峯修行 先日、5月3日。 愛媛県の石土山に入峯修行に参りました 石土山とは現在で言う瓶ヶ森のこと。 

普通の方。これは醍醐の門流の行者も同様に天狗岳のある石鎚山に修行するのが一般ですが、平安時代までは御本尊の蔵王権現は瓶ヶ森におられたと言う。

下のリンクに詳細な記事が載っています。

 

shimanamitai.sakura.ne.jp/r2-6g-komochigongen.html

 

 

後に、修験の開祖である役行者の高弟。芳元の門流の意志によって御本尊の蔵王権現は今で言う石鎚山の弥山に奉還された。 それ以降は承知のように石鎚山へ講中の信徒は登拝する事となった。 明治維新以降は時の政府の謀略によって神仏分離の政策の難を受け、御本尊が石鎚大神と変更され石鎚本教の護持するところとなった。 

 

古式を重んじる当山は瓶ヶ森を石土山として修験させて頂きました。 以上が行場の概略です。 以下、当日の行程を記録のためにまとめておきます。

 

 

 5月3日。7:30に西之川の沢にて禊。水行。     

     

早速、鈴懸に着替えて名古瀬登山口まで林道を歩く。 名古瀬登山口は砂利道を発電用の滝、ダムを渡って反対側の岸に取り付きがある。 間違えて、ずっと手前の登山口に入ってしまったが、そこは水力発電の管理道だった。

ここで相当に時間のロス。

 

 

 

10:30  常住に到着。ここまで杉木立の急峻な道をひたすら登る。 ここでご法楽(勤行)。休憩。

 

 

 

 

 

 

11:24  鳥越に到着。ここにてご法楽。休憩。

    ここからはロープを超えて子持権現の取り付きまでトラバースする。

    途中、兵平岩の表示あり。

    そこを降りずに、ほぼ斜面を枯沢を二つばかり超えてトラバースすること。

    気を付けてアルミの石土山参道の小さな表示。

    赤テープを見失わないように細心の注意をはらう。

 

 

 

12:15  このヒメシャラの木が現れると同時に、左にワイヤーロープが現れる。

ここより、子持権現の急登となる。

 

 

12:47  瓶ヶ森の「つばめ返し」を望みながら急峻な山を這いつくばる。

 


 

12:53  大岩壁が見えてきたら、右を登るといよいよ、第一の鎖の行場に出る。

 

 

 

12:56  第一の鎖行場。

 

 

 

13:21    一の鎖を超えると崩落現場に出る。

     篤信の方のご厚意でロープが渡してある。

     しかし、かなり慎重にロープを超えなければ沢へ一直線に滑落してしまう。

     もちろん、命はないだろう。

     しかも、足元に雪が。。。

 

 

崩落現場を超えると、急峻な二の鎖。

 

13:45  小剣山の行場。小剣王子にて勤行。

 

 

 

13:49   三の鎖付近の花。

 

 

14:01  四の鎖の行場。

    なかなかな行場である。

    慎重にならざるを得ない。

 

 

 

この後、五の鎖を経て、20分くらいワイヤーと熊笹との格闘となる。

急峻な、厳しい行場である。

 

 

15:18  いよいよ、子持大権現。ご本社に到着。碑伝奉納。勤行。修法。

 

 

 

 

15:34  子持権現山頂。

 

 

15:35 いよいよ男山が見えてきた。石土山の山上である。

 

 

 

15:57  ここより六の鎖。80メートルという鎖の行場を降りる。

        なかなか厳しい行場だと思う。

 

 

 

16:04 六の鎖の下の社に下山。

    ここは子持権現の遥拝所だろう。

 

 

 

 

下山の後、急いで瓶ヶ森。男山へ急行。

笹の下はまだ雪が残っていた。

 

16:55 石土山男山。勤行。

 

 

 

 

 

 

急いで女山へ。

標高は女山のほうが高いが、修験道としては男山に神様が鎮座されておられる。

時間も押していたので、女山の画像は撮る事が出来なかった。

 

瓶壺を経由して、西之川方面へ急いで下山。

 

西之川の石中寺へ到着したのが20:15分を回っていた。

勤行が終わり車に乗ったのは20:30も過ぎていた。

13時間にわたる修験となった。

 

鈴懸もドロドロ。

行者衣帯は破れ、地下足袋も泥にまみれていた。

しかし、疲労の裏腹に石土山の古道を斗藪修行出来たのは行者としては誉だろう。

 

今はこの古道で修行する方は本当に稀だと思う。

そもそもルートが隣の石鎚山のように整備されている訳でなく、人を寄せ付けない行場だからだろうか。

実際問題、かなりの用心は必要だと思った。

滑り止めの手袋も必須である。

神仏のご加護の元で修行出来たのは今後の絶対にプラスとなるだろう。

 

次の日、香園寺の奥の院にて滝行。

後、本山の石土宗総本山。石中寺様に御礼の勤行をさせて頂きました。

突然の参拝にも関わらず、貴重な時間を割いて下さり管長猊下をはじめ山内の諸大徳に改めて感謝を申し上げます。

 

最後に、子持権現の古道は経験者のブログや、ネットの情報に頼ったところが大きいです。

その情報が無ければ石土古道の修行は出来なかっただろう。

心から関係者各位に御礼、感謝を申し上げます。 

ありがとうございました。 合掌。