第八章 “兄”

『ピーンポーン』

『はぁい!』
ドアをあけると見知らぬ男。
『零いる?』
『え…あ…。』
見た目から不良。
『お…創?』
零が来た。
『零?この人だれ?』
『え?わかんねぇ?よくみて。』
『うーん…。』
『弟が世話になってるね。』
『え?って事は…。』
『双子のおにい。』
『そうなんだあ!よろしくお願いします。』

『う゛えーん!』
愛巫が泣いてる。
『ちょっとすみませーん。』

愛巫を抱いて戻ると…
『零…お前子持ちと付き合ってんの?』
『いや?俺らの子供。』
『へえーこの姉さんに似て可愛いな。』
確かに零にそっくりだ。
『で…何の用?』
『いやぁ、零の学校行ってもいなくてさぁ。』
『で?』
『女と別れたから住むところないんだよ。』
『はぁ?』
『ま、とりあえず上がってくださいよっ。虫も入るし。』
『そうだな。』
『ありがとう。』


零はコーヒーより紅茶派。
きっと創さんも同じ。

『お茶でーす。』
『麗奈の紅茶うまいんだぞ?』
『まーじ?』
『で…?』
『お前んとこ行きたかったけど、邪魔しちゃ悪いな…。』
『えっ?ぜんっぜんいいですよっ!』
零が口を開けたまま見てる。
『はぁ?』
『使ってない部屋1つあるし、人おおいと楽しいし。ね?』
『麗奈が言うならおれはいいけど?』
『真面目?』
『うっうん!創さんがいいなら。』
『創でいいよ。てか良すぎ!麗奈ちゃんよろしく。』
『よろしくっ!』

4LDKで家賃月15万円。

15÷3で1人5万円。
悪くないよね?

『創っ!麗奈に惚れるなよ?』
『あったりめ!』
『愛巫もやんねっ!』
『えー?』
双子でじゃれてるのもいいね。
『早く結婚したいな。』
『うん。』
『でも…お前の親にはたのみたくねぇ。』
『あ!18歳以上の保護者でしょ?』
『ああ。』
『おばあちゃんがいる!』
『真面目?』
『うん。』
『じゃあいくかあっ!』
『じゃあ俺遊んでる。』
『じゃあ…まぁも行こう!』
『まぁ初めてのお出かけだね。』
『区役所で婚姻届もらって…。』
『お婆さんちに行く。』
『俺は遊ぶ。』
『あははっ!』
『じゃあ帰ったら創に電話するね!』
『おうよ。』

車の中での会話。
『麗奈のお婆ちゃんが、橘 花枝みたいなのだったらなぁ。』
『その花枝お婆ちゃんだよ。』
『あの華旅館の?』
『うん。』
お婆ちゃんは有名旅館を経営してる有名女将さん。
十六の時子供を出産した。
今は56歳。
『えっ?有名人じゃん!』
『うん。』
『優しいばあちゃんだな。』
『うん。』

途中で眠くなった。

『麗奈、ついたぞ。』
『ん…。』

懐かしい香り。


『いらっしゃいませ。』
『早瀬さん、お客様です。』
『っ!新入り、この方は花枝様のお孫様だ。』
『あの、花枝お婆さんに会わせて下さい。』
『は、はい。こちらです。』

『あらぁ!麗奈ちゃん、どうしたの?』
『お婆さん久しぶり!』
『その子は?』
『麗奈の赤ちゃん。』
『まあ、可愛い事。あらあら。』
怒る表情一つ見せない。
『あのっ!』
『なにかしら?』
『俺、零って言うのですが、お孫さんを僕に下さい。』
『まあまあ、こんな遠くまできてくれて、麗奈を幸せにしてやんなさい。』
『じゃあ婚姻届サインしてくれるの?』
『麗奈の幸せは麗奈が決めなさい。』
『お婆ちゃん…。』
『家はどうしてるの?』
『お母さん達とは縁を切ってマンションに住んでる。』
『なら、こっちに住みなさい。ちゃんと仕事もあげるわ。』
『本当?』
『嘘をついて何になるの?』
『うん!きっとこっちに来る。』
『麗奈、今日お得意さんが来るんだ。』
『うん!麗奈にまかして!』
『麗奈なにすんの?』

小学生のころ、よくやった。

『麗奈様、お綺麗です。』
『ありがとう。』
『さぁ、いきましょう。』

『服部様、今日は良い舞がみられますよ。橘 花枝が保証しますよ。』
『ほんまか。』
『ええ。私の自慢の孫ですの。』
『はよ見たいね。』
『麗奈、始めなさい。』
『失礼します。』

親の旅行好きのおかげで、舞を覚えた。

『綺麗やね。』
『ありがとうございます。』
『本番の舞子はんはどう思う?』
『綺麗やわ。北海道もんとはおもわれへん。』
『有難う御座います。』
『あんた来なされ。』
『失礼します。』
『はよきなさんな。』

舞子さんメイク濃いなぁ…。
『あんさん、ノーメイク?』
『ええ。』
『なんでメイクしないん?』
『肌が傷付くやろ?』
『なんやと?』
『メイクすると肌があれるんよ。』
『まあ、それはそうやけど…。』

舞子さんはこっちを睨んでる。
『肌白いな。』
『そうやろか?』
『こんなオバハンより、こっちの姉ちゃんに接客してほしいわ。』
『おおきに。やけど麗奈が相手すんのは、零だけやから。』
『は?』
『失礼します。』

『お婆ちゃん!』
『ごめんなさいね。京都から来たお得意さんなの。』
『いいよいいよ。』
『今日はとまってく?』
『うーん…。どうしよ。』

まずは創に…。
『あ?もしもし?あぁ麗奈?』
『どうする?』
『あ、いいよ。今からバイトだし。』
『有難う。』

『お婆ちゃん、泊まってくよ。』
『じゃあ部屋を手配させとくね。』
『ありがと。』

零も喜んでる。

『お部屋に御案内します。』

『ありがとう。』

『ねぇ、お風呂はいろ?』
『そうだな。』

零って分かりやすい。
『ガマンしなくていいよ?』
『え?』
『いいよ。』
『そんなこと言ったら…。』
『いいよ。』
『いいの?』
『うん。』

愛し合うことは悪い事じゃない。

『零、おはよ。』
『ん…おはよ。』
『帰ろ。』
『そうだな。』
まぁを乗せたベビーカーを押す零は、誰よりも格好良い。

『アンちゃんちょっと待てや。』
昨日のオッサン?
『なんすか?』
『昨日あんたの姉ちゃんにはうちの舞子が世話になってなぁ。』
『あんた龍か?』
『なんでうちの名前しってるん?』
『俺の親父が世話してやったからなぁ。』
『はぁ?世話になったのは死んだ尾張さんだけや。』
『俺がその息子だよ。』
『なんやとっ?』
『信じるかは別だが。』
『尾張さんの息子は創さんじゃ?』
『お前らまてや!』
創が来た?
『創さん?』
『こいつはおれの双子の弟だ。』
『すいやせん!勘違いしてもうて…。』
『きぃつけな。』

『創!来てくれたの?』
『服部が北海道きてるって聞いて。』
『そっか。』
『てか麗奈のお婆ちゃんって橘 花枝?』
『うん?』
『マジかよ。』
『てかさっさと帰ろうぜ。』
『婚姻届を区役所にもってかなくちゃ。』
『そうだな。』
『ええ?そんなあっさりサインもらったの?』
『うん。』


分析結果:創は零と双子で…でも全然違うおもしろい人。
現代に生き返って欲しい人は? ブログネタ:現代に生き返って欲しい人は? 参加中
本文はここから

歴史の人だったら、北条時宗おとこのこかな・・・。
今もどってきたら、御礼をいいたいなぁ。。。
「日本まもってくれてあんがとッ(m_ _)m+.*゚」って。

歴史ぢゃなくていいなら、
私が生まれる前に死んじゃったおじいちゃんおばけ
一回でもいいから会いたいなぁ・・・。
第七章 “愛”

赤ちゃんを産んだ時、
『愛してあげなくちゃ。』
って思った。

零と出逢ってなければ絶対思わなかった。
それまでの麗奈は『愛』なんて知らなかったから。
でも…零にいっぱい愛されて…零以外に愛したい人が出来た。

『愛巫…。』
『名前?』
『うん。』
『可愛い名前じゃん!それにしよっ!』
『ほんとぉ?』
『よしっ。命名愛巫!』
『まなみぃ!ママだよ!』
『パパだぞぉっ!』
『あはっ笑ってる!』
『可愛いなぁ。』

『早くお家いきたいねー。』

かすかにうなずいた気がした。

退院の日が来た。

『もしもし零?まだ?』
『いやー道路渋滞してて帰れそうにないわぁ。』
『じゃあ先帰るよ?』
『ごめん!』

ベビーカーは家にある。

『橘さん…大丈夫ですか?』
『大丈夫です。』

『さようなら。』

軽いなぁ。


やだっ!この通り不良ばっか!

『まちな。』
『え?』
『おたくの彼氏にはずいぶんやられてね?』
『…。』
『麗奈ちゃん?だっけぇ。』
『はぁ?あたし香奈恵なんですけど。人違いじゃないんですか?』
『それ真面目?』
『嘘ついてなにになんの?』
『わりぃ。』

頭を使えば勝てる。
早く離れちゃおう。
5分くらい歩いた時、零の車が見えた。
『麗奈ぁ…ごめん。』
さっきの事もあって、後ろをキョロキョロしちゃう。
『遅いっ!』

『わりぃ!』
『零が前やったヤンキーにつかまったじゃん!』
『あー。雅か。』
『ったく!』
『怪我ねーか?』
『‘麗奈ちゃん?’って聞かれたから‘いいえ、違います’って答えといたっ!』
『さすがっ!』
『気をつけてね。』
『悪っ!』

愛巫も怒った顔をして零をみてる。

『愛巫もわりーっ!』

今度は笑顔…。
表情豊かな子だなぁ。

『愛巫は麗奈にそっくりだな。』
『そうかな?』
『可愛い所がそっくりだ!』
『うーん…。』
『ほら…家だ。』
『よいしょっと。』

3週間ぶりのマンション。

部屋綺麗…。
零掃除苦手なのに…。

『俺トイレ行ってくる。』

零の部屋…本とかいっぱい…。
何の本だろ?

‘女を喜ばせるsex術’
‘セックス入門DVD’
麗奈のためにこんなの?
麗奈のためだったらやんないよね?

本の後ろに書いてある。
‘麗奈の感じやすい所’
‘首すじ’

麗奈の事…満足させようとしてくれたんだ。

『れなぁ…。飯ぃ!』
『はーいっ!』
今日はめちゃくちゃ美味しいものにしよう。

『出来た。』
『おー!今日はフランス料理か!』
『あ゛ー!』
『麗奈まぁにオッパイあげる。』

可愛いなぁ。

『母乳ってうまいの?』
『えー?飲んじゃだめだよ?バイキンついちゃうから。』
『おれは愛液のほうがうめえと思うぜ?』
『ちょ…あぁ!』
『欲求不満だったんだよ。これくらい良いだろ?』

体の力がぬけて…反抗できない…。
『零ぉ…。』
『あ…。わりぃ!』


零からの愛を感じた。