夏も終わりの満月の日
夕去りの茶事をいたしました。

産休前最後の茶事ということもあり
主客共に思い入れ深き一会となりました。



夕ざりの茶事とは。
日没前から宵に至るまでの
黄昏時の茶事です。
つまり昼と夜の茶事を一度に味わえる

一粒で2度美味しい茶事

なのです。

今回も、裏千家の主人が亭主。
私は水屋で懐石料理担当。



秋の始まりの献立は

向付  本鮪の大トロ角切り  紋甲いか  山葵

飯  茗荷ご飯

汁  南瓜  刻み胡麻  八丁味噌

煮物椀   枝豆しんじょ  松茸  じゅんさい  青柚子

焼物  スズキの塩焼

預鉢  生麩の揚げ出し煮  いんげん  ベビーコーン

強肴  鶏ささみと胡瓜の胡麻味噌和え

箸洗  レーズン

八寸  ワカサギ     丸十(新さつまいも)の蜜煮

香の物  沢庵  白瓜  長芋

菓子  自家製  錦玉羹  『金魚』



まずは向付と

『伏せ傘の茶』
飯椀の上に汁椀を乗せて
器にも露を振ってお出しします。
汁は別で持ち出し、お客様がご自身で
お取り回しを。
本鮪の大トロと、紋甲いか
満足の美味しさ♡



煮物椀(懐石のメインディッシュ)

秋の器を開けると


松茸!
枝豆しんじょに
満月ちっくにまん丸青柚子。
じゅんさいも夏の名残に少しばかり。




預鉢

生麩の揚げ出し煮、築地角山さんの麩は
さすがです。たまたま見つけたベビーコーンもかわいくて美味しくて。



八寸(酒の肴。海のものと山のもの)

新鮮なワカサギをゲットできたので♪




香の物





お菓子

錦玉羹キンギョクカンの
『金魚』を作りました。
お目目が仮面ライダーみたいになってしまいましたが、
お菓子をお出しする時間には
もう日も暮れて茶室も暗かったようで。。
ちょうど良かったかも。笑


夏の名残、秋の始まりの今回は
こんな感じの懐石料理となりました。

盛付けなど
もう少し美しくできるようになりたいものです。
味も、どうありたいかは分かっているものの、なかなか自分の納得の味を表現しきれないもどかしさがあります。
懐石はまだまだお恥ずかしいレベルですが
皆様に喜んでいただけるように
恥ずかしくても
挑戦していきたいです。



すっかり陽も暮れて

お客様を見送る主人。
空には神々しいほどの満月。

夕去りは室礼も
とても趣きがあったようで
私もお客様になりたいくらいでした。

ご一緒してくださった皆様
心より感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

次回のお茶事は、産休後。
すでに今からウズウズ楽しみなのです♪