エピソード31 「熱意」






祖父の土地で…この家で…









お店をやるには私の思いだけで









勝手に進める事は出来ない。








「……(´-ω-`)」

↑祖父の軽い返事に、嫌な予感しかしない。



「まぁ…当たり前か…」









10年以上顔を出さなかった私が突然、家を片付けると言い









お店をやると言い出した…









「もしかすると…(´-ω-`)」








お店をやる為にここを片付けに来た?



おじいちゃん思ったのか?









「……(´-ω-`)」









\  思いだけではダメですよ /









「……(´-ω-`)?」









ふとテレビから聞こえた銀行員が語る言葉が耳に入る…👂










\  情熱は大切ですけどね… /









「……(´-ω-`)」










\  ちゃんとした事業計画書が無ければ融資は出来ません /



「…事業計画書…(´-ω-`)」










私は何か一番大切な事、忘れていた気がする…











「……(´-ω-`)」

↑「経営」とか大の苦手な人



































「スピード」 エピソード32






祖父の心を動かす「何か」が必要なのだ










「事業計画書…か…(´-ω-`)」










確かにお店をやるにも資金、テナント、起業のノウハウ










「……(´-ω-`)」

↑一番苦手分野










「おじいちゃんの家」と言うだけで色々な事考えないで済んでいた…。




「……(´-ω-`)」

↑それ以上にゴミ屋敷問題。










おじいちゃんは「側」にいてあげる事だけで、喜んでくれるだろう…思っていた









ゴミ屋敷を片付けてあげてるんだから…。










「………。」










そんな「甘え」がどこかあった










祖父が一代で築いたこの土地でやっていく




「本気」が分かるもの…











おじいちゃんが本当は求めているもの…とは









「……そうか…」










祖父が血と汗と涙で築いたこの土地でやるには…









「…農業…」










この農地を守っていく事なのかもしれない










「農業やろう…」
































「土地を継ぐ」 エピソード33










祖父は先代が残した多額の借金を物心つく頃から
返し続け…返済し









一代でこの土地を築いた。









「酒を飲めたのは50過ぎてからだ…」



よく言っていた…









しかし血も滲む思いで築いた土地を








継ぐ人間はいなかった。









もしかしたらここがゴミ屋敷になったのも…









「俺が死んだら潰してもらっていい」










未来のない土地への祖父の悲しさだったのかも…しれない。



そんな思いも知らずただ勝手に










「お店をやりたい」









などと言っても祖父の心に響く訳がなかった。











そんな祖父の思いを継いで









「農業をやるぞ!」



決意した…と言うより









この時も自然と何も考えず農業への道へ進んでいた。









この土地で、この家でお店をやるということは









農地を耕す事と共に生きていく事なんだと









当たり前の事のように思った…。



何十年も土と触れ合う事から離れて暮らしていた私が…










今まで一度も「農業」をやるなんて










思った事などなかったのに…











まるで祖母から導かれるように












私は前へ前へ進んでいく…