エピソード7 「祖母との思い出」
昭和58年 8月。
「ゆみちゃん、いるかー?」
玄関から祖母の声が聞こえる。
「ダッダッダッダーー‼️💨何!何!おばあちゃん(`Д´)❗❗ゼェゼェ‥‥」
私は一目散に祖母の元へ走る。
「団子作ってやったから食いな🍡あとスイカもあるぞ🍉✨」
「やったーー❗❗❗ヽ(`Д´ )ノ✨」
↑勝利の舞、並の喜び。
鍵っ子だった私達の為、祖母は農作業の合間に来てくれた。
私の家は共働きで日々の生活がやっと…
(と、言うより給料をほとんど飲み代に使う親父だった為‥)
「おやつ」など家には無かった。
この祖母の「おやつ」が何よりも楽しみで
「ガッ!ガツ‥ガツ(`Д´)🍡🍉」
↑姉が帰って来る前にに食おうとする妹。
「そんなに急いで食わなくても、誰もとらねぇよ(笑)」
いつも優しく愛情を注いでくれる祖母。
「だってお腹空いてるんだもん(`Д´)」
「じゃ、これも食いな🍫」
ポケットからチョコレート🍫🍫✨
「(`Д´ )なっ❗❗❗」
↑ベスト・オブお菓子発見。
「おばあちゃんはサンタさんみたいだね(・∀・)✨✨」
お金の事で毎日罵り合う父と母。
酒を呑んでは暴れる父親を見て育ち、子供らしさを失いかけていた私達。
祖母はそんな孤独な世界から救ってくれた…
とても心強く安心できる場所。
「そーかい‥サンタかい(笑)」
「うん!(´~`)モグモグ✨✨」
「ゆみちゃんは面白いな…笑笑。」
優しい笑顔と甘いお菓子…
祖母は私にとって生きる場所を与えてくれた人…だった
エピソード7 「幸せな記憶」
坂戸 6時45分。
沢山の野菜達が祖母との思い出を蘇らせる…
「あ…てんとう虫…」
トマトの実にてんとう虫がとまった。
「おばあちゃんもよく頭に虫つけてきたよな(笑)」
大きな農家だった祖父の家に嫁いだ祖母は
朝から晩まで農作業に追われ
土の汚れで手は黒ずみ、服は泥だらけ。
それでも優しい祖母が大好きだった。
「おばあちゃんが来ると畑の匂いがしたんだよな…」
「………。」
ドクンッ…
「あ……」
ドクンッ…
「あの匂い‥」
ドクンッ…
「あの匂いは…おばあちゃんだ…」
ドクンッ…
胸騒ぎは確信に変わる。
「………。」
おばあちゃんは
本当に死んで…しまった。
ドクンッ…ドクンッ
エピソード8 「祖母の願い」