エピソード3 「愛する人の死」


















坂戸 6時半。












「こないだおばあちゃんにあった時は全然元気だったのに‥」










「‥‥…。」











姉と二人車で祖父の家に向かう。





「何か信じられない…」











「………。」












姉はショックを隠しきれない様子で涙を浮かべていた。











「………。」












私達は祖母が大好きだった  





いつも笑顔で可愛がってくれた祖母。











「うぅ‥‥(泣)」











「‥‥‥。」











泣きながら運転する姉に対し私はとても冷静だった












以前入院した時、危篤状態になった祖母。











それでも元気になり退院までした…











あの時もおばあちゃんは死ななかった





今回も何かの間違いだ…。











「………。」











この世からいなくなる‥なんて











おばあちゃんが死んじゃうなんて











あり得ない…




「………。」










あの頃の私は大切な人を失う経験がなかった‥












人の「死」がとても遠くにあった…のだ











「………。」





































エピソード4  「不思議な出来事」




坂戸  6時40分。












祖母の家に到着すると





入口の前に救急車、パトカーが停まっている。












「これじゃ中に入れない‥裏口に周るか…」













姉は車で裏口へ周り車を停めた。













裏門から家に入るには、畑を通り抜けなくてはならない。




「こっからしか中に入れないや」












「そ‥だね=3」












目の前に広がるトウモロコシ畑。











「すごいね✨これ全部おばあちゃんが作ったんだよ。」











「へぇ‥‥」











トウモロコシの葉をかき分けながら、畑の中に入っていく‥










「臭っ!何この匂い!!」












「本当だ!臭っ❗❗❗(`Д´)」











二人とっさに鼻をつまむ。




突然畑の中から鼻を突く匂いがした。










「あれ…この匂い‥」











朝窓から入ってきたあの生臭い匂い‥











「同じ…だ…」









































エピソード5    「風の便り」




「これ…じゃない?」










姉が足元を指差す











「牛ふんか‥肥料の匂いだったのか…」




↑冷静を装う。










「………。」











祖母の家の周りは田畑だらけ

臭いの強い肥料を撒いても苦情など出ない。












しかし私の家は住宅街にある。




家庭菜園程度の畑はあるが、こんなに匂いの強い肥料など撒けるわけもなく…











「………。」











何故、今朝この肥料の臭いがしたのだろうか…












橋を渡り1キロ先にあるこの畑の匂いが











私の家まで届くはず…ない。




「………。」










ドクンッ……











何か…胸騒ぎがする









「………。」











「どうかした?」











「え?‥あぁ‥何でもない‥」












とうもろこし畑を通り抜けると











今度は真っ赤なトマトが鈴なりに実っている





そしてキュウリにナス、スイカ…と











沢山の野菜達が夏の日差しを浴び、すくすく育っていた…。











「………。」



























第二章に続く