こんばんは。


ジュン・マユミです。

それぞれの誕生日には一緒に食事に行く。

大抵、鰻屋に行った後、コメダに移動してあれこれ喋りあうという流れ。

というのがここ数年の私と、実家の父母との何となく決まっているイベントである。


集まって祝うと言っても、おじいさん・おばあさん・おばさん(←私)そして私の息子というメンバーなので、1番の目的は孫をジジババに見せるというのが実際の目的である。

こうする事で年に少なくとも4回は顔見せする事が出来る。


先日は私の誕生日であったものの、正直この決まりきったイベントにちょっと面倒臭さを感じつつ、店へ向かった。


鰻屋を出て、コメダに移って、コーヒーを飲みながら雑談中に母が言った。


「最近本を読んでいるんだけど、その中にね、


【この世界は、それぞれ人によって違って見えている。この世界は写し鏡で、見るものには自分が映っている。】


って書いてあって、そうなんだ!!ってびっくりした。」



と言った。



私と母との溝

現実的なその原因は、母の、父に対する愚痴と攻撃。

私には度を超えていると感じられ、実家に帰るとそれを聞かされるのが嫌で嫌で。

実家には滅多に帰らなくなった。


子供の頃は母の言葉を信じ、父が悪いから母は怒っているのだと思っていた。


でも家を出て冷静に眺めると、もちろん父にも至らぬ所があるのは理解できるけど、ほとんど母がその原因を【自分の心の中】から引っ張ってきているのだと気付いた。


投影。


母が監督する映画の中に、父は悪役として任命されていた。


そして母は、いかに父が酷く冷たい人間であるかを私に話す。


辟易して


「お母さんはどうしてそんなに私にお父さんの悪口を言うの?」


と聞いた事がある。


すると


「私が教えてやらないと、お父さんがどんなに酷い人間があなたには分からんやろ?」


という答えが返ってきて、閉口した。


しかし母は「辛い」という気持ちがあり、それを私に分かって欲しいと思っている、そう私は理解した。


長女アルアルか、母は弟に対してはそうではなく、私に対してだけそのようであった。



この件に関して、現実的に母と距離を置く事で関与する事を避けてきた。

たまに外で食事をする程度にしてきた。


「その原因はお母さんだよ。」


と伝えたって聞かないし、なんだかんだで父と母が一緒にいるという事は、それで良いって事なんだろう。(私が聞き役になるのはゴメンだから近寄らないけど)というスタンスできての、20年〜である。



そんな母が


【この世界は、それぞれ人によって違って見えている。この世界は写し鏡で、見るものには自分が映っている。】


という価値観を持った。


私には衝撃的であった。

こんな事ってあるんだ、と。

それは私にとっては何にも変え難い誕生日プレゼントである。


そうなって気付いた事がある。

母は散々、父の悪口は言うけど、他人様の悪口は本当に言わない。思い返しても聞いた覚えがない。


母は、父に一心に期待していたんだろう。

父だけには分かってほしい

父だけはいつも優しくしてほしいと。

(過度に。)

そして、父は母の世界の悪を一身に背負ってきた。笑。


結果、悪役という位置付けではあったけど、母は父をとても必要としていたんだなと…。