元彼女との再会。


飲み会の日。僕たちはグループ内恋愛だったので、飲み会があれば来る。毎回の話だったが、いつもは意図的に避けていた。その行為が周りを気まずくするのは知っていたが、話すことなどできない。顔を見るだけで涙が出そうになるのだから。


しかし、今回はばったり対面してしまい避けられなかった。


『おぅ、ひさしぶり・・・。元気だったか?』

「うん・・・。元気じゃないかな・・・。」


そんな会話から始まった。

はじめに声をかけるときは異常なほどドキドキしたが、いざ話てみるとすらすらと話していた。どこか懐かしい気分になりながら、時間が戻っていくのだけを楽しんでいた。


そんな感覚を受け止めていた時、彼女は泣き出していた。


「話せてよかった・・・。もう一生話せないと思っていた・・・。」


泣きながら彼女はそう言った。

涙を拭こうと、ポケットからボロボロのハンカチを取り出す。ちょっとした笑いが生まれ、ごめんね、と一言謝った。俺の目にも涙が溜まろうとしていたのがわかった。


わかれてからの近況報告とか、あの時の気持ちとか、いろいろ話してやっぱり思う。

俺にとって大事な人だったんだって。

失ってから気付くのは本当に愚かな行為だと思う。彼女の本当の気持ちに気付いてあげられず、自分の我だけを押し付けてしまったのは馬鹿だった。



別々にわかれて、バイクに乗りながら涙を流した。

もう、彼女の前で涙を流してはいけない気がする。


でも、俺が涙を流せるくらい、そのくらい心が許せる人はあの人しかいないのは事実だ。


一人ぼっちの今、強く生きなくちゃいけないんだな。

そんな事を考えていた。