平日の夕方、湘南に向かう電車の中には、
様々な人が乗り合わせている。
仕事帰りの彼女は、夫の待つ葉山に帰るところ。
数年前のある日、突然「仕事辞める」と言った夫の言葉に
愕然とした瞬間も、遥か彼方。
結局、都内の家を売却し、海の側に2世帯住宅の家を建て、
独りになっていた実家の母も呼び、
一人娘と老母の世話は「主夫」任せ。
でも・・・・・・。
彼は、広告代理店勤務の彼女のために、
朝ごはんを用意し、コーヒーをいれ、一緒に飲んでくれる。
共働きだった頃には、無かった時間。
彼女が出かけた後、犬2匹をお供に彼は、
娘と手をつなぎ、ゆっくり話をしながら、海岸沿いを散歩して、
学校まで毎日見送る。
そんな時間は、娘にとっての宝物。
週末には、彼の自慢のお料理を楽しみに、
それぞれの友達がひきもきらずに美味しいワインや
東京の名店のケーキを持って訪ねて来るようになった。
東京にいた時には、
近いところにいても、わざわざ訪ねあう事も無かった「友人宅」が、
突如「海辺のリゾート」に変わった途端、
みんな喜んで訪ねて来る。
彼女は人生で、仕事と安らぎの両方を手に入れた。
今晩は、生シラスのピザだったわね。
仕事帰りに「KARE-飯」に合うワインを選ぶ喜びも増えた。
さて、彼女が、湘南の海で獲れる「生シラス」を乗せたピザにあわせて
選んだワインは、イタリアの代表的なカジュアルな白。
ソアーヴェ・クラシコ。
ガルガーネガ種で造られる辛口の白で、イタリア魚介料理にピッタリ。
さっぱりした口当たりを柑橘の香りに加え、
ソアーヴェの持つ塩味とミネラルがつくる、強くて優しい味わいのワイン。
ロミオとジュリエットの舞台にもなった
ヴェネト州ヴェローナ県の中の様々なワイナリーで、
ソアーヴェは造られています。
その中でも「クラシコ」が付くワインには、
古くからある特定のワインナリーを現す表示。
イタリアンレストランのお店では、必ずワインリストにあるソアーヴェ。
さて、シラスピザにもうひと味。
「カタクチイワシ」を使った自家製アンチョビです。
強力粉とイースト菌でピザ生地を作り、
まあるくのばしたその上にバターを塗り、
生シラスとチーズ散らし、好みでアンチョビも少々。
220℃のオーヴンで10分~15分焼いた上に、
最後に庭に植えてある大葉を何枚か娘に取って来てもらって散らします。
ちなみに。
自家製アンチョビは・・・・。
ガラスの瓶などに塩を敷き詰め、
手開きにしたカタクチイワシと塩を層にするように重ねていきます。
そのまま重石をして、陽のあたらないところで、
ひと月ほど置いて様子をみます。
このぐらいから食べられるようですが、
好みで、もっと赤茶色になるまで漬けるのも良いでしょう。
ちょうど良く漬かったら、あがってきた塩水を取り除き、
オイルなどを注いで保存します。
このとき、鷹の爪やローリエなどで香り付けしても良いですし、
かたちが崩れてしまったらペーストにしても
様々な用途で使えます。
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