今回から嗜好を変えて、
2010年代の開封シーンを色んな切り口で振り返ってみたいと思います。
記念すべき第1回は「BBM×カープ黄金時代」
「阪神ファンなのにカープ?」というなかれ。
コイコイがこの市場に参入してしまった2010年頃、
市場をけん引していたのは間違いなく西武ファンと広島ファンのおぢ様方でした(主観)。
epochもまだ現役サインへのアクセスがない中、BBMはそんなおぢ様方の熱い期待に応えるべく、
毎年のようにチーリミとは別に独自の広島セットをせっせと制作しておりました。
「次はどんなセットが出るんだろう」
ラインアップが定番化しつつある昨今とはちょっと違う、黎明期~中興期ならではの楽しさをお届けできればと。笑
さて、BBM×カープと言えば黎明期の伝説として
「エキスパート」(2004年)
「エキスパート2~KOIBUMI」(2007年)
「さようなら、広島市民球場」(2008年)
などなどがあるのですが、コイコイはリアルタイムでないのでカット。
2010年に発売されたこちらから参りたいと思います。
現在は「どこで何してるの?」の代名詞マエケンですが、
2010年代の前半、彼は開封市場における大スターでした。
実世界でも十分スターでしたが、開封市場でのスターぶりはそれ以上だったのではないでしょうか。
おそらくは古葉監督の時代から応援していたであろうおぢ様コレクターたちの期待を一身に背負い、
しかもそんなおぢ様方の野球観に見事に応える2010年代初頭の鉄腕ぶり。
おそらくマエケンを含むハンカチ世代(と後の菅野)は、完投に執念を燃やし、というか、完投云々に関わらず「エースはこうあるべきだ!」っていう往年の理想像を目指したNPB史上最後の世代だったんじゃないかなー、と思います。責任を一身に背負う感じとかね。
ゆえになのか、この頃って新しい選手が増えてきても「時代が変わった」とか特に思わずに野球を見ていられましたね。
そんなマエケン人気にあやかり、翌年から
「〇鯉」
というタイトルのBBMセットが毎年のようにカープファンのみならず、市場を賑わせます。
まずは2011年の「若鯉」
カープ、というかカープのユニフォームの特徴として「パッチがもりもり」というのがあります。
実はこの特徴を持ってる球団って意外と限られており、時期によるユニフォームの変更も踏まえれば、ずっともりもりは
カープとオリックスだけだったんじゃないでしょうか。
この点非常にカードとの相性が良く、この若鯉は2ボックスに1枚程度の割合で「サインかパッチ」が出現。
しかもサインが直書き!
マエケンもタテ30枚ヨコ60枚計90枚の大盤振る舞い!
8,400円が安い!とは言いませんが、ライトなファンも「1ボックスだけ・・・」と楽しみやすいシリーズでしたね。
次に2012年の「昇鯉」(サブタイトルがRISING CARP)
こちらはマエケンはもとより、ノムスケの登場、堂林の台頭、何より
「あの、あの前田智徳の直書きサインが手に入る!」
ということで、それはもう飛ぶように売れてた気がします。
後の「もののふ魂」でも語りますが、当時の前田智徳へのカープファン、
ひいてはカードファンの崇拝ぶりはすさまじいものがあり、彼が引退する翌2013年末のスポーツカードマガジンでは
「カード界をけん引してきた前田智徳と入れ替わるように、これからのカード界をけん引するかもしれない存在ー大谷翔平が現れました」
的な編集サイドのコメントがありましたね。それくらい前田智徳こそカード界の象徴、という時代がありました。
ちなみにこのセット、今思えば菊地のルーキーサインも入ってるんですね。
チーリミはもちろんシールサインなんで、この頃たまに実現していた「現役×直書き」の魅力ってそれは凄まじいものでした。
そして2013年の「輝鯉」
こちらはまあタイトルの通り金箔を使ったきらびやかなカードの造りが特徴でした。
が、今でもバイバック等でたまに起きる「直書き×サイン擦れ擦れ問題」が起こってしまい、
当時まだ馴染みのなかったこの事象に結構みんなぷんすかしてましたねー。
テコ入れに山本浩や衣笠さんら人気OBサイン(こちらはシール)も投入です。
当時の開封ライバルA(巨人ファン)が発売日に2ケース近く沼ってしまい、発売日に全部出品して「8割回収できた」と喜んでた(強がってた)のを覚えてます笑 いや~第一次暴走全盛期ですね。けどまあ「カープなら回収できる」という姑息な計算を常に立てながら開けてた気がします。
そして2013年も終わろうとする頃、
引退を迎えた前田智徳を盛大にtributeすべく、こんなのも出ます。
20ボックス(ケース)にサインとパッチが1枚ずつ。
なかなか厳しいセットでしたが、ついに実現した前田智徳のボールサイン(6枚)に市場は狂喜乱舞。
これまた結構な争奪戦でした。
いやそうなんですよねー、市場の目玉がルーキーや大谷ではない時代があったのです。笑
最強レジェンドの夢のボールサイン
まあ最近はジェネシスでスターはサッとボールサイン実現しちゃうんでピンと来ないかもですが、
例えば柳田悠岐が数年後引退を迎え、引退記念セットが出て、
「初のバットノブオートとネームプレートオートを封入!200ケースに6枚!」
って感じですかねー、いや、常に大谷が1st priorityな現代ではそもそも例えようのない感覚ですね。笑
そして2014年・・・・・
「次は何鯉?」
と思っていたら、まさに2014年シーズンの開幕と同時に、誰もが驚愕したあのセットが出ます。。。
「う、うそだろ・・・」
まさか、まさかの人選。
もう10年も経つのに、あの衝撃は忘れられません。
BBM史上最恐セットの座を
伝説の「中島裕之 NEXT」と今なお争う、伝説の片割れ。
BREAK OUT
・・・10年後に始球式サインで市場を沸かせる相川七瀬の壮大な匂わせだったのでしょうか。
当時誰もが思いました、「なぜ、なぜ今なんだ。」(今さら、のニュアンス)
2024年から見れば「堂林って、あの頃若手のスター候補生で人気あったんでしょ?」くらいのもんですが、
24時間365日をvividに生きていた10年前のリアルタイム、1年2年のずれってのはとっても大きいものです。
2012年に高卒2年目でレギュラーを獲得し「鯉のプリンス・アイドル・未来・希望」
あらゆる賛辞を手にしたのも束の間、
2013年は完璧に伸び悩み「もうこりゃダメだ・・・!」の気持ちをまるまる1年半充填。
おまけに発売週の2014.3.28の開幕戦でも7番サードで4タコ3三振。
そんなタイミングで発売されたのでした。
まあ例えるなら、度会が来年も1年間鳴かず飛ばずで過ごした後、
2026年の開幕前夜に度会セットが出た!くらいの衝撃だと思ってもらえればわかりやすいと思います。笑
さて、
「次こそ〇鯉!」
と思ってたら
またよくわかんないもんが出ました。笑
サインの封入もなし。
でもまあ、これはこれで当時の「カープなら何出しても売れるだろう」感が出てますよね。
マジで開けてる人見たことなかったですが。笑
この時期になると、numberやMIZUNO、さくら堂、
何より謎の新進気鋭フロンティア社が頻繁に直筆サイン入りのカードセット(特にカープ)を
乱発し始め、BBMの独壇場でなくなり始めてました。(この辺もいつか纏めたいですねー)
ので、今思えば2014年の「BBM×カープ」は迷走感がありますね。笑
そんなオチに相応しく、ほんとはこの年にポスティングが認めてもらえるはずだったマエケンの送別セット、
になるはずだったセットが出ます。
大人気のマエケンですが、今回のサインは1500セット(@8000円)にわずか24枚。しかもシール。
2010年のマエケンセットが4000セット(@4000円)中108枚(18枚×6種)。
2011年の若鯉が4000セット(@8000円)中マエケンだけで90枚(縦30枚ヨコ60枚)。
2012年の昇鯉が3000セット(@4000円)中マエケンだけで58枚。
と考えると、一気に渋くなりました。。。
実はこの「個人セット×激辛オッズ」の流れは2013年末のマー君セットに始まっており、
あの「24勝0敗シーズン×優勝決定シーン」の18枚はそりゃもうスペシャルofスペシャルゆえまだ納得感もあったんですが、
特に変哲のないマエケンサインが24枚ってのは結構な違和感を市場にもたらしましたねー。
昨今のローキセット、村神セットも激辛でしたが、マー君同様スペシャルシーズン×シーンでしたし。
そんなこんなで「BBM×カープの魅力もちょっと下がってきたかなー」
という頃、カープにあのお方が帰ってきます。
だいぶ長くなってきたので、後編に続きます。