許し方: 他人を許すには、正確な“知識”が必要です。/小池義孝
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今回は少し、一義流気功では変わった事例です。
ある４０代の患者さんは、自分の性的な対象として小学校の高学年～中学生あたりに強い衝動を感じていました。性的に魅力を感じる年齢層は、上は４０代までと幅広くあります。その中でも特に、１０代前半～後半にかけてが異常だと感じていました。
本人にも理由はわからず、間違って犯罪に走りたくもないので、出来れば治したいというご要望でした。
まず前提として、妊娠出産が可能な年代に性的魅力を感じること自体は、決して異常ではありません。生き物として、むしろ正常と言えます。タブーは現代社会での規範上のものです。
その範囲で、個人的な好みにバラつきがあるのも自然で、そういった正常の範囲内であるとも考えられます。
潜在意識から情報を引き出してみると、少し、事情がありました。まったくの異常ではないものの、そこに特にフォーカスしてしまう歪みが発見されました。
それは過去における、彼の経験にあります。
小学校の高学年～中学校になると、男性としてイケている人と、そうではない人に分かれています。彼はイケてない側のグループで、クラスでモテるような事態は、決して想像すらできませんでした。同年代の美人でカワイイ女の子には、当然、惹かれます。それはもうキラキラと輝く眩しい存在でした。
けれどもイケていない彼には、到底、高嶺の花。恋焦がれるだけ無駄というものです。彼は惹かれながら、「自分には絶対に無理」という絶望も同時に味わっていたのです。
絶望感は、彼の心を部分的に麻痺させました。その麻痺が、大人になっても抜けきれなかったのです。
するとどうでしょう？ 自分が２０歳になっても３０歳になっても４０歳になっても、１０代前半～中盤にかけての美人・カワイイ女の子を見ると、当時のトキメキが心の中で再現されます。
そこには心の麻痺が伴っていますから、理性がゆるみます。性の衝動は無意識レベルで抑制されるものですが、心の麻痺によって理性がゆるんでいるがために、抑えが利きません。結果として、その年代の女性にだけ、剥き出しの性欲が発揮されるようになってしまっていたのです。
治療でその出来事の毒（絶望感）をクリアにしたところ、変化がありました。治療から二カ月後の来院時に、「その年代の女性に対して、何も感じないわけではないが、前のような強い性衝動は起こらなくなった」といった内容のご報告を受けました。
以前、１０代中盤の女性を買春して逮捕された中年男性の供述に「自分が少年の頃に覚えたトキメキを満たしたかった」といった諭旨のものがありました・
もしかしたら、今回の事例に近かったのかもしれません。
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