12月に入り、夏ネギの定植が始まって参りますが、黒腐菌核病対策は、ご計画されていますでしょうか?

 

ネギの黒腐菌核病は、【出てからでは防げない】病気です。

そのため、ネギ栽培のスタートから、計画的に対策する必要があります。

 

そこで今回は、ネギ栽培の【最初に使用する】、おすすめ商品3つをご紹介いたします。

 

なお、黒腐菌核病は簡単に防げる病気ではないため、これからご紹介する3つの商品だけでは、万全ではありません。

しかし、使用方法も簡単な割に効果的なので、黒腐菌核病にお困りの方どなたにでもおすすめの商品となっております!

 

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目次

1. 【画期的】パレード

2. 【根本改善】ナトラス

3. 【意外】ランド

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1. 【画期的】パレード

正式名は「パレード20フロアブル」と言います。

2019年に「黒腐菌核病」の予防として、「ネギ苗潅注」での登録が取れました。

 

黒腐菌核病で困っていた方にとって、待望の登録であり、期待を裏切らない効果が出ているようです。

 

【パレードの使用方法】

定植前(育苗期後半~定植直前)、100倍希釈、ネギ苗(チェーンポットorセルトレー)1枚あたりに希釈液0.5Lを潅注

 

潅注時に使用できる他の薬剤と比較すると、正直、コストは高めです。

しかし、非常に長く予防できる実績が出ておりますし、黒腐菌核病の恐ろしさや対策の難しさを考えると、使わない手はないかと思います。

 

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2. 【根本改善】ナトラス

「ナトラス(10kg)」は、10種類の「納豆菌」や多種ミネラルが含まれているペレット状の土壌改良材です。

 

納豆菌は、有機物を分解したり、カビ(=糸状菌のこと。黒腐菌核病もカビの一種)を忌避するのが得意だと言われています。

 

そのため、納豆菌は黒腐菌核病に対して直接防げる効果も多少はあると考えられますが、残念ながら【納豆菌だけですぐに防げる】とは言えません…。

 

ところが、ナトラスを土に入れると、以下のような流れで、【間接的な予防効果】が期待できます。

 

土に入っている有機物の分解が進む → 菌のエサが増える → もともと土にいる色々な菌が増えていく(主に「乳酸菌」や「放線菌」などの良い菌)→ 黒腐菌核病が生存しづらい土になっていく

 

また、「ナトラス」は、納豆菌が4段階で発生していく「納豆菌のカプセル」のような肥料です。

そのため、すぐに効くだけでなく、長く土を良くしていきます。

 

【1段階目】施肥直後、もともと活動している納豆菌が動き出す

【2段階目】眠っている納豆菌(芽胞状態と言います)が、水分量や温度が高まるにつれて動き出す

【3段階目】ペレットが溶けていくにつれて、ペレット内部の納豆菌が動き出す

【4段階目】ナトラスに入っている「卵殻石灰」の隙間に入っている納豆菌が徐々に動き出す

 

ナトラスのデメリットとしましては、ペレットの長さがバラバラで、3cmほどの長さのものもあります…。

しかし、その分、段階的に納豆菌の効果が表れてくるため、効果の持続性の面ではメリットにもなるかと思います。

 

【ナトラスの使用方法】

土づくりの時に、ナトラス(10kg)10袋を全面混和する。

その際に、納豆菌のエサとして、植物センイ(緑肥・雑草・前作の残さ、稲わらなど)や、「なたね油かす」(80kgほど)も一緒に混ぜ込むと、なお良いです(納豆菌のエサとなって活性化するため)。

(なお、「なたね油かす」は、栄養価が豊富に残っている「圧搾タイプ」の方がお勧めです。)

 

ナトラスと有機物(エサ)をすき込むことで、土の微生物が増えるだけでなく、フカフカにもなっていきます。

 

3. 【意外】ランド

「ランド(20kg)」は、卵殻と膜を高温で焼いて砕いた有機石灰です。

 

「そんな物で、黒腐菌核病の予防に効果があるのか」と意外に思われる方も多いかもしれません。

 

しかし、某農業系の大学教授に「効果は期待できる」とお墨付きをいただいたこともありますし、深谷のベテランねぎ農家さんからも「効果が見られた」と言っていただきました。

なぜかというと、ランドは長期的にpHを改善できる石灰だからです。

 

黒腐菌核病は、高いpHが苦手です。

そして、pHがアルカリ性に傾いてくると、「シュウ酸」という酸を出して、積極的にpHを下げてしまいます(酸性化していきます)。

そのため、せっかく最初に消石灰などでpHを上げても、結局、黒腐菌核病によって下げられてしまいます。

 

そこで、「ランド」を入れることで、途中でpHを下げられてしまうのを防ぎ、黒腐菌核病が苦手な環境を作ってしまう、というわけです。

 

なお、秋冬ネギの場合は、「10-11月頃の低温期にpHが上がる事で黒腐菌核病が減少する」ことが分かっております。

(参考文献:『低温期の土壌pH矯正によるネギ黒腐菌核病被害の軽減』植物防疫 第69巻 第6号 (2015))

 

「ランド」のような卵殻の石灰は、溶けづらい事がデメリットではあるものの、黒腐菌核病対策にとっては、そのデメリットがメリットになると考えられます。

 

【ランドの使用方法】

土づくり時、または定植前に「200kg/反を全面混和」or定植時に「100kg/反を株元散布」。

 

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以上、黒腐菌核病対策のスタート時におすすめの商品3選でした!

 

今回ご紹介した商品は、とても手軽で効果的であると考えております。

しかし、当然ではありますが、ネギの病気で【最も防ぐのが難しい】と言われる黒腐菌核病を、これだけで完璧に防ぐことはできません。

 

しっかり防ぐためには、土づくりを含めた、総合的な対策が必要となりますので、お困りの方は、ぜひネギ参謀にご相談いただければと思います。

 

※本内容は、できる限りお役に立てるよう記載しておりますが、完璧ではございません。本内容によって不覚にも与えてしまったいかなる損害については、当社では一切の責任を負う事ができません。ご自身の責任とご判断において、ご活用いただければと思います。

 

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