藤井さんは、フィッシャールールでも負けませんね!
 
佐々木大地さんに屈しましたが、通算9勝1敗です。
 
深浦さんはもう少し時間があれば・・・、惜しかったです。
 
NHK杯でも羽生さんに勝ち、決勝は2年連続の佐々木勇気さん。
 
 
新人王との記念対局もありますし、聡太押しの皆さんには良い週末ですね。

 
   著者 : 瀬名秀明
   発行 : 新潮文庫
   2022/11/1 発行
 
本書は人間の表現活動と人工知能技術の関係を主題にして、瀬名秀明(氏)が書いた4つの短編のアンソロジーです。
 
各作品に共通して描かれるのは、将棋、小説、絵画のそれぞれにおいて、人工知能が人のレベルを超える時に、人間がどう対応し、変化するかという状況です。
 
解説(ドミニク・チェン)
 
 
<目次>
負ける
144C
きみに読む物語
ポロック生命体
 解説 ドミニク・チェン
 
 
4編のうちの「負ける」は、将棋AIと棋士との対局がテーマです。
 
 
「144C」は、機械が人間の心の機微を描けるかを問うています。
 
 
シンパシーからエンパシーに至る多彩な心の働きは、読書体験において重要な役割を担う。
 
”さまざまな文章問題に答えることで、その人のシンパシースコアとエンパシースコアを測定できる”ことに取り組んだ「きみに読む物語」。
 
定性的なものの定量化です。
 
 
おりしも、芥川賞の受賞作「東京都同情塔」は、犯罪者が快適に暮らすための収容施設となる高層タワーが、建てられるという近未来の日本が舞台で、タワーをデザインした建築家の女性が、過度に寛容を求める社会や生成AIが浸透した社会の言葉のあり方に違和感を覚え、悩みながらも力強く生きていく姿が描かれています。
 
 
そして2022年頃からネットを席巻している 文章から画像を生成する技術(text-to-image generator)を取り上げた「ポロック生命体」です。
 
 
AI(orSF)に興味がある方は、本書をお薦めします。
 
将棋に興味がある方は、「謎々 将棋・囲碁」をお薦めします。
 
 
「負ける」は、双方に掲載されています。
 
(再録)瀬名秀明氏の「負ける」は、将棋で「投了できる人口知能」を開発する若者たちの葛藤・・・。
 
「以前きみは、人工知能には死の概念がないといった。 ・・・ その概念をどうやって入れるつもりだ?」
 
「表面的には単純な話で、人工知能に”人間らしさ”という薄い膜を一枚被せればそれでいい。・・・」