文藝春秋社  発行
   2023/11/22 発売
 
各棋戦が繰り広げられていますが、藤井さんの対局は随分少なくなり、手持ち無沙汰でもあります。
 
”第73期王将戦 七番勝負第1局 藤井聡太王将vs菅井竜也挑戦者”戦まで 3週間あります。
 
永瀬さんとの王座戦が強烈だったこともあり 腑抜け状態が続いています。
 
 
本誌は Number 5回目の藤井聡太(将棋)特集です。

 

 


お約束の”八冠達成完全保存版”です。

<巻頭エッセイ>
 
”人間のもつ創造力を縦横に見せてほしい”
 
ノンフィクション作家の後藤正治氏は王座戦主催者・日本経済新聞よりエッセイの依頼を受け、盤側で八冠達成の瞬間を目撃しました。
 
将棋史を振り返れば、全冠を制した棋士は三人いる。
 
升田幸三(三冠)、大山康晴(三~五冠)、羽生善治(七冠)である。
 
過去の王座戦、羽生王座の時代であるが、何度か観戦記を書かせてもらった。
 
正直、羽生を超えるような才能を見ることはあるまいと思ってきたが、いま、彼を超えんとするかのような棋士が現れた。
 
世はAI時代。
 
優劣を即座に判断する機能は素晴らしいが、創造力それ自体は人間の頭脳に宿っている。
 
若き天才に、人間のもつ本源的な創造力を縦横に見せてほしいと願う。
 
 
藤原正彦先生が述べていることと同じお気持ちのように感じました。
 
 
<完全制覇のその先へ・藤井聡太>
 
<プロフェッサー解説・勝又清和>
 
<3年4か月の栄光ロード・八大タイトル戦>
 
<王座戦直後の肉声130分・永瀬拓矢
 
 
<独占インタビュー・渡辺明
 
”僕と、将棋のこれから”
 
・・・僕の視界から藤井聡太さんは一旦きえました。
 
プロはみんな、彼との差がどこにあるかわかってるんだけど、どうしたって埋めるのが大変なんです。
 
往年の羽生マジックにも似た 相手が勝手に転んでいる感覚。
 
棋士の序盤の研究レベルは、もう行くところまで行った。
 
AIの本来の開発目的って、人間が楽に暮らすためだったはずが、囲碁界と将棋界は、逆になってる。
 
 
<希望という名の振り飛車・菅井竜也
 
<Wタイトル戦の記憶・佐々木大地>
 
<森内九段、深浦九段が見た王将戦・羽生善治>
 
<竜王戦2勝の価値・広瀬章人>
 
<木村義雄から藤井聡太まで・後藤元気>
 
<中村太地が語る「藤井将棋進化論」>
 
 
<一手違いのスリル・先崎学
 
王座戦が終わり、藤井聡太八冠が誕生した。
 
私はその時焼き鳥屋でビールを飲んでいた。
 
・・・それでも全冠制覇という事実を前にして、いままで蜃気楼であやふやだった超高層ビルが、突然くっきりと眼前に見えたような感情はあった。 ・・・
 
数日間、洪水のように情報が流れた。
 
その中には99%の劣勢からの逆転、というリードの記事も多く、私はすこし違和感を覚えた。
 
あれは、単に永瀬拓矢王座が詰みを逃しただけだからである。
 
・・・もちろん永瀬ほどの棋士の第一感が金を打つ手以外だったわけがない。
 
ではなぜ間違えたのか。
 
そこにはちょっとしたアヤがあったのだが、なんといっても将棋の終盤がおそろしく難しいからだ。 ・・・
 
 
先崎さんのエッセイを読んでいるときは、途轍もなく幸運な瞬間だと感じられます。
 
ここまで読まれた方は ご自分でお読みになることをお薦めします。
 
モヤモヤが解消され、幸運な瞬間だと感じられることと思います。
 
 
<新世代の挑戦者たち・小島渉>
 
<AIマスト時代の奨励会最新事情・内田晶>
 
<25歳の想い・山根ことみ>
 
<秘技を磨く無頼棋士・村田顕弘>
 
<天衣無縫インタビュー・佐藤康光>
 
 
インタビューが濃いので、充実の”Number1085”になっていると思います。
 
ようやくUp出来てよかったです。