(まえがき) |
| 将棋の戦法の流行はどうして変遷するのだろう? |
| それは、プロ棋士が勝ちやすい戦法を求めて使う戦法を変えるからだ。 |
| では、「勝ちやすい戦法」とは何か? |
| それは、プロ棋士がそのイメージの中で持つ勝率の高い戦法のことである。 |
| 長年の経験から、同じ戦法の同じ序盤であっても、持っている勝率イメージは棋士によってかなり違うということが分っていた。 |
| それを数字で示すことができたらどうだろう? ・・・ |
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| 「5五の龍中飛車は成立するか?」 |
| つのだじろう氏の『5五の龍』。 |
| 平成8年、☗深浦康市五段が羽生善治王位との第37期王位戦第1局でチャレンジしました。 |
| 結果は残念ながら?☖羽生王位の勝ち。 |
| その前もその後も、この将棋はプロ棋戦には現れていないようです。 |
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| 今は ゴキゲン中飛車が主流ですね。 |
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| 「「将棋観」理想の持ち時間は?」(持ち時間が長いほど将棋のレベルは上がると思いますか?) |
| 羽生 「現行制度で、一番納得がいく将棋が指せると思うのは、二日制9時間かなあ」 |
| 羽生 「一日制と二日制の将棋では、読みの厚みが違うという実感はあります」 |
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| 佐藤 「持ち時間が長ければ長くなるほど、レベルが上がるというものでもない」 |
| 佐藤 「理想の持ち時間は二日制8時間で、朝10時対局開始です」 |
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| 森内 「私は現行の持ち時間で十分です」 |
| 森内 「人間同士の対局では、たくさん考えたからいい手が指せるとも思えない」 |
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| 谷川 「持ち時間が長くなっても、即内容が良くなるとは思えない」 |
| 谷川 「持ち時間は一日制なら6時間、二日制なら9時間。 これが理想というより限度でしょう」 |
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| 渡辺 「二日制8時間か9時間で納得するしかないと思う。 現状は意外にいいと思う」 |
| 渡辺 「一日制だったら5時間か6時間は欲しいと思う」 |
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| 藤井 「理想を言えば、三日制13時間でやりたい」 |
| 藤井 「一日制だと6時間がいいところでしょう」 |
| 藤井 「以後の国際戦は3時間が主流ですが、3時間は短いと思います」 |
| 藤井 「ただ、見ている人は楽。 その兼ね合いをどうするかという問題ですね」 |
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| 藤井さんの三日制以外は 皆さん現状肯定・受入れ派です。 |
| 藤井先生、今でも同じお考えでしょうか? |
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| 「渡辺新手のその後」 |
| 平成20年の第21期竜王戦七番勝負第7局。☗羽生名人と☖渡辺竜王の「初代永世竜王」を懸けた世紀の対決で現れた、渡辺新手☖3三銀! |
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| 羽生 「なかなか先手を具体的によくするのが難しいんですよね」 |
| 佐藤 「ああ、これね。これは難しい」 |
| 森内 「なんとなく後手が頑張りすぎている気がするから、個人的には先手を持ちたい」 |
| 谷川 「これは先手勝率のイメージは52%です」 |
| 渡辺 「形勢は分らないけど、データとしては後手が勝っている」 |
| 渡辺 「自分の手を他の人にこれだけ指してもらえたら本望です」 |
| 藤井 「僕は先手不満と見ている」 |
| 解説 「テーマ図は平成22年3月末までに21局指され、後手が16勝5敗」 |
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| 「5筋位取りで勝てるか?」 |
| 藤井 「5筋位取りが指されないのは、羽生さんが指さないからでもある」 |
| 藤井 「居飛車党は贅沢なんです」 |
| 解説 「振り飛車党の藤井九段を除く5人の棋士の頭の中には、揃って「これでは勝ちにくい」というイメージがある」 |
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| 「四間飛車に☗4五歩急戦」 |
| 渡辺 「普通の居飛車党はほかに有力な戦法がいっぱいあるから わざわざこれをやることはない」 |
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| 「升田、中原をひねる」 |
| 渡辺 「升田先生の将棋?むちゃくちゃ強いですよ。 半分以上並べているけど、とにかく手が見える」 |
| 渡辺 「攻めの手は、大山先生より見えると思う。 手のなさそうなところに手を作る感覚は抜群」 |
| 渡辺 「自分も大山、升田を超えたという実感はない。 羽生さんでどうかなあ」 |
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| (終盤編) |
| 大山、升田の両巨頭、天野宗歩、九代宗桂等々歴代トップ棋士の棋譜からのテーマ図は、先生方の答えが とても楽しめます。 |
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| 指す将の皆さんには、お薦めです。 |
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| 本書は『将棋世界』2006年8月号~2008年11月号、2010年1月号~6月号掲載に新題を加筆。 |
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<もくじ> |
| まえがき |
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| 第1章 |
序盤編 |
| テーマ1 |
5五の龍中飛車は成立するか? |
| ・・・ |
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| テーマ15 |
復活した松尾新手 |
| 幕間 |
テーマ1「将棋観」詰みor必至 |
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テーマ2「将棋観」理想の持ち時間は? |
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テーマ3「将棋観」序盤力or終盤力 |
| 第2章 |
中盤編 |
| テーマ1 |
大山-升田の名人戦 |
| テーマ1 |
渡辺新手のその後 |
| ・・・ |
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| テーマ12 |
5筋位取りで勝てるか? |
| テーマ17 |
四間飛車に☗4五歩急戦 |
| テーマ18 |
升田、中原をひねる |
| テーマ19 |
老名人の勝負術 |
| 幕間 |
テーマ1「将棋観」10年前の自分と勝負 |
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テーマ2「将棋観」10年後の自分と勝負 |
| 第3章 |
終盤編 |
| テーマ1 |
大山-升田の激戦 |
| テーマ2 |
升田幸三、驚異の構想 |
| ・・・ |
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| テーマ4 |
天野宗歩の攻め |
| ・・・ |
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| テーマ9 |
大山康晴、神技の受け |
| テーマ10 |
升田幸三、鬼の攻め |
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| 著者: 鈴木宏彦/羽生善治・渡辺明・谷川浩司・佐藤康光・森内俊之・藤井猛 |
| 発行: 日本将棋連盟 |
| 2010/5/31 出版 |
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