昨日(2/24)は 第48期岡田美術館杯女流名人戦 第4局で、伊藤沙恵女流三段が里見香奈女流名人を破り、最多9度目の挑戦で初タイトル・女流名人を獲得しました。
 
伊藤沙恵新女流名人 おめでとうございます。  里見四冠 おつかれさまでした。
 
 
本書は、『ひっかけ将棋入門』 『花村実戦教室』 2冊を再編集して文庫化したものです。
     
    <帯> 東海の鬼が遺した伝説の名著
            『ひっかけ将棋入門』文庫化!!


『第1巻  ひっかけ将棋入門』
「第1章  誰でも強くなる方法  花村流妖刀使いの極意」
私は”賭け将棋”で強くなった
10代にして「東海の鬼」と呼ばれる
下手殺しの魔法
こんなインチキもやった
勝負師は金儲けもうまい
敵の虚を突く盤外作戦
 ☖花村さん: 形勢が良くなれば、頭をツルリとなでる。 勝負手を指すときは「しょんない、しょんない」が口癖。
 ☖升田さん: 手を大きく振りかざしたり、殊更そっと指してみたりする。
 ☖大山さん: 大ポカやったときなどは、耳がパッと赤くなる。
 ☖丸田さん: 真剣に考えているとき、顔の方は、隣の将棋をのぞいている。
 ☖芹沢さん: ペラペラしゃべっているときに、何か悪巧みを企てている。
悪手を用いて裏をかく
将棋は直感で指せ
奇想天外なプロ破りの戦法
まず玉を囲うことから初めよ
妖刀に凄味が出るとき
定跡なんか糞くらえ
花村の妖刀は”我流”で斬る
得意の戦法は一つあればいい
この頃の観戦記や棋士の先生方の書籍で、これだけのぶっちゃけトークはなかったですね。
花村将棋は面白かったですが、『ひっかけ将棋入門』も面白いです。
 
「第2章  急所の駒はこう動かす  奇襲逆転の指し方」
「第3章  強い奴!弱い奴!どっちも来い  どんどん勝てる駒落ち必勝法」
局面図に説明付きの指し手で、奇襲・妙手の解説です。
 
「第4章  勝負手を放つタイミング  難局を打開する将棋」
「人間は間違えるために生まれたのだ」
・・・相手を間違いやすい方へ誘い込めば良いわけだ。
・・・相手の気持ちを読み取らなければならない。
・・・表面に出たものより、内面のものが理解できれば、将棋を見る面白さも一段と増すであろう。
次の一手問題10題です。
 
「第5章  凄い手を発見する方法  花村流実戦教室」
花村流 鬼手・妙手を解説した自戦記4局です。
 
 
『第2巻  花村実戦教室』
「第5章 凄い手を発見する方法 花村流実戦教室」と同じく、花村流 鬼手・妙手を解説した自戦記20局です。
 
「第9局  対豪破り王位挑戦者に (対升田九段)」
大豪升田幸三九段と、第3期王位戦の挑戦権を争った一番です。
升田さんには私が(花村さん)アマチュア時代に随分教えてもらっている・・・
升田さんはここ(81手)で「お見事でした」と言って投了・・・。
 
棋士総会でお金の配分の問題が出たときに、
升田 「扶養家族が何をいうか」
花村 「低段者は黙れ!」 居合わせていた者がどっと笑い、場がうまく収まることがありました。(米長先生)
花村さんは、木村名人に対する恩義と共に、江戸時代から続いてきた名人位に対する深い憧憬の念を持っていました。
木村名人にあれほど突っかかった升田さんにしても名人位に対して同じような深い思いを抱いていたことはよく知られています。
当時 花村さんの将棋を高く評価していたのは、タイトル保持者の塚田さんや升田さんだったようです。

 

 

 

「第17局  悪手とがめて快勝 (対芹沢八段)」
第3期将棋連盟杯戦の4回戦で、同郷(静岡県)の後輩、芹沢博文八段との対戦。
二人とも静岡県出身ということで、対局は静岡市の『浮月楼』が選ばれました。
記録係は、同じ静岡県出身の青野照市初段だったようです。
『浮月楼』は、A級順位戦最終局が一斉に行われる あの慶喜公のお屋敷跡の料亭です。 豪華です!
両先生の対局風景は、先崎さんの『浮いたり沈んだり』<ワンス・アポン・ア・タイム>に 対局室が浮かび上がるような筆使いで描かれています。

 

 

「妖刀」花村、鬼の花村、仏の花村、 花村さんの人柄が偲ばれます。
 
 
 
<目次>  
刊行によせて    深浦康市
第1巻 ひっかけ将棋入門
第1章 誰でも強くなる方法  花村流妖刀使いの極意
第2章 急所の駒はこう動かす  奇襲逆転の指し方
第3章 強い奴!弱い奴!どっちも来い  どんどん勝てる駒落ち必勝法
第4章 勝負手を放つタイミング  難局を打開する将棋
第5章 凄い手を発見する方法  花村流実戦教室
第2巻 花村実戦教室
はしがき    花村元司
第1局 大鬼手で大ポカ誘う (対塚田九段)
  ・・・・
第9局 対豪破り王位挑戦者に (対升田九段)
  ・・・・
第17局 悪手とがめて快勝 (対芹沢八段)
  ・・・・
第20局 鬼手銀打ちで名人倒す (対中原名人)
   
  花村元司 『花村実戦教室』 (日本将棋連盟) 昭和52年刊
  花村元司 『ひっかけ将棋入門』 (KKベストセラーズ) 昭和54年刊
  2冊を再編集して文庫化
   
   
        著者: 花村元司
        発行: 日本将棋連盟
        2012/7/30 初版