| 有働 「昨年末、羽生さんが投了した局面で、羽生さんが圧倒的に優勢だったとAIが評価したことがありましたよね」 |
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| 羽生 「この一件には『驚いた』というのが率直な感想です」 |
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| 羽生 「人間にはプレッシャーや不安を感じ自己評価を下げてしまうけれども、AIには全くないので、人間との乖離が生まれます。」 |
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| 羽生 「対局の終盤でAIが間違えることはほぼないので・・・」 |
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| 羽生 「AIが99%優勢と判断しても、人間の盲点になるような何かを見つけられれば99%の勝ち、見つけられなければ99%の負け、という紙一重の局面もよくあるのです」 |
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| 有働 「AIにできて羽生さんにできないことってあるんですか」 |
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| 羽生 「わかりやすい例で『アルファ碁』、機械学習で3000万局の対戦を繰り返しました。 人間が一生でできる対局数は10万局くらいです」 |
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| 有働 「逆に羽生さんにできてAIにできないことというのは」 |
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| 羽生 「『ちょっと変わったことをやってみよう』という不確実なアクションや一手は、AIには結構難しいんじゃないでしょうか」 |
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| 有働 「AIの話になると必ず出てくるのが藤井聡太さんです」 |
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| 羽生 「・・・ある意味で、AIが人間と相克する今の時代を象徴する棋士なのかなと思います」 |
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| 有働 「羽生さんが『銀が泣いている』みたいなことは?」 |
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| 羽生 「よくありますよ。 将棋って結局、駒を全部使いきれないと勝てないし、いい内容にならない」 |
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| 羽生 「ただ、ある駒が全然動いていなくても、そこに存在することに意味があるといのはよくあります」 |
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| ”羽生さんの活躍はイコール我々世代への肯定。 その羽生さんが藤井聡太四段(当時)に敗れたときは、我がことのようにショックでした。 でも今回お話を伺って・・・やっぱり羽生さんは、いつまでも私たち世代のヒーローです”(有働) |
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| ”観る将”ファンには、とても分かりやすい対談だと思いました。 |
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| 有働由美子の枚フェアパーソン㉜・羽生善治 『文藝春秋2021・9月号』 |
| インタビュー : 有働由美子 |
2021/8/10 発売
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