<帯> 新名人・待望の書下ろし! |
「この本を読めば 運がつく」 渡部昇一氏談 |
|
「祝念願達成」 |
よくぞやった。 これで師匠はいつ死んでも思い残すことはない。 |
佐瀬一門の名誉これに過ぐるものなし。 |
ゆっくり静養して、体力の回復に努めてくれ。 |
話は帰ってから ゆっくりしようじゃないか。 |
平成五年五月二十一日 佐瀬勇次 |
米長大名人殿 |
|
小学校を卒業して、 佐瀬勇次八段の内弟子になったのは37年前。 |
その間に経験したいろいろなことを思い出した。 |
|
師匠の娘婿で、私(米長さん)の弟弟子でもある 沼春雄五段の弁によれば、 |
「師匠・佐瀬勇次は、 すでに弟子と師匠という関係を捨てて、 熱狂的な米長ファンになってしまった。」 |
|
最初に我が家(米長邸)にやってきたのは、あの先崎学で、二番目が林葉直子であった。 |
振り返れば、一人ずつでも大変そうなあの二人を、よく同時に内弟子に置いたものだと思う。 |
一緒だったから二人の力が互いに相殺されて、ちょうどよくなったのかもしれない。 |
|
「学ぶ」より「捨てる」ことのほうがむずかしい。 |
|
昭和43年、米長さんは 結婚を前提にお付き合いしたいということで、”女房の父親”に会いにいきました。 |
”女房の父親”は心配になって、近くに住む 升田幸三先生のお宅を訪ねました。 |
「馬鹿者めが!」 |
「米長は将棋界の宝だ。 おまえみたいな男の娘と結婚するような器ではない。 身の程を知れ!」 |
自分では こうも鮮やかに決める自信はない そうです。 |
|
「米ちゃんは、 物が見えすぎるんだよ」(大橋巨泉) |
|
”・・・東大・・・”が巷間に流布したとき、 わざわざ真偽を確かめに行った人がいた。 兄、答えていわく。 |
「あの弟の兄貴は、馬鹿でないと務まりません」 |
|
<もくじ> |
|
まえがき |
|
第1章 |
生涯の女運を賭けた勝負 |
第2章 |
眼前の一局に生きる |
第3章 |
「惜福」で生きる |
第4章 |
馬鹿になれるか |
第5章 |
トップの気概とは何か |
第6章 |
女神の好きな国・嫌いな国 |
第7章 |
奇跡の起こし方 |
第8章 |
薹が立って咲く |
第9章 |
七度目の名人戦 |
第10章 |
仰げば尊し |
|
|
|
著者: 米長邦雄 |
|
1993/7/20 初版 |
|
|