留学について | 中村教授の愉快な毎日

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ブログの内容は筆者の個人的な見解であり、明治大学とは無関係です。

留学をしていないことは、今、もはや自慢のように話しているが、もちろん、したくなかったわけではない。


英国大使館の文化部(British Counsil)へ、英語で奨学金を個人的に申し込む「手紙」を書いたこともある。今考えると恥ずべき行為だ。


もう予算を使ってしまったという返事が、館長自らから来た。


その年、私の大学院の先輩が二人も留学したからだろう。一人は東大教授の婿に入ったから、その強いコネクションに違いない。閨閥だ。


自民党の派閥と変わらない。さしずめ私は無所属の野党だった。これ一回で留学の悪あがきは諦めた。


見苦しいではないか。外国人からカネをもらい、外国で学ぶなんて。


日本のGDPはすでに世界2位で、奨学金を出すどころか、英国の大学はかなり貧乏になっていた。


英国大使館で大学フェアを開き、私費留学生を募集し、ビジネスをしていた。年間授業料だけで、300万円から500万円はかかる。


貧乏な私に行かれるはずがなかった(大学院の授業料も、父の収入が低すぎて5年間免除された)。


今も、大量の中国人留学生がいないと、イギリスの大学は成り立たないだろう。


明大政経は、授業料交換で留学できる大学があるので、周りには激しく留学を勧めてきたが、今のところ、私のゼミナールからは、短期、中期が二人しかいない。


行かないよりはいいが、ワンシーズン過ごすとかなり変わる気がする。


といっても、自分に留学の経験がないので、具体的に何も言えないのはつらい。


来世は留学しなくて良い境遇に生まれたいものである(ダンテを研究するイタリア人とか)。