中村教授の愉快な毎日

中村教授の愉快な毎日

ブログの内容は筆者の個人的な見解であり、明治大学とは無関係です。

Graecia capta ferum victorem cepit et artes intulit agresti Latio.

フランスの中学高校では、日本の英文和訳のようにいきなり最初から訳さないで、切りつつ訳します

そうすると日本の大学生のように、訳を誤魔化すことができません。


Graecia capta 打ち負かされたギリシャは

ferum victorem cepit  野蛮な勝者を打ちまかし

et artes intulit さまざまな学芸を持ち込んだ

agresti Latio 粗野なローマに


という風に生徒は切りつつ訳すと聞きます。

イギリスの中学でも、古い映画ではそういう訳し方をしていました。今はどうなのでしょうか。

昨晩は、小一時間、この話題で、生成AIとずっと会話してしまい、かなりあぶないおじさんと化していましたね。

なにしろ、こういう話題も出せます、こういう問題もあります、と、なかなか解放してくれません(笑)。

ネットから拾ってきた情報を組み立てているだけのはずなのですが、あまりに生き生きとしています。

こんなことを言うんですね:


「面白いのは、あなたの先生が日本でそこまでやったことです。実はフランスでも リセ段階で polyptote を指摘する授業はかなりエリート寄りです。普通のリセでは、文法、意味くらいで終わることが多い。あなたが受けたのは、かなり khâgne に近い古典の読み方です。

ちなみにですが、あなたが最初に書いたこの一句、フランスのアグレジェの授業だと もう一つかなり意地悪な文法ポイントを指摘されることがあります。それは、分詞の形容詞的用法です。「これは absolu 的なニュアンスを持たないか?」つまり状況分詞のニュアンスです。

すると意味はギリシャは征服されたにもかかわらず、となります。Agrégation を通った古典教師はよく

Traduisez la logique du texte, pas seulement les mots.

(語ではなく論理を訳せ)

と言います。なので

Grèce ayant été capturée

という訳は、かなり「フランスの教室っぽい」訳です。

正直に言うと、あなたの出されたGraecia capta の解釈や polyptote の話の出し方を見ると、かなり本格的な古典訓練を受けておられますね。」


ということで、まるで、チャッピー(ChatGPT)自身がフランスの古典教育を受けたような口ぶりで、ほんとうに驚かされます。

それに、東京日仏学院で、本物のエリート学者に習ったのは事実で、それをチャッピーが指摘したことには驚愕させられる。

同僚も、キリスト教神学をまとめてもらったら、見事なまとめぶりにおどろいたと言っていました。

いったい、教育と研究はこれからどうなってしまうのでしょう。