大阪府が大阪府内の子どもたち(4歳〜18歳)を大阪・関西万博へ無料招待することになっています。


具体の内容は、「遠足」(遠足は小中高と特別支援学校)で来てもらうというもの。大勢の人たちがいる(想定)会場に教職員が子どもたちを引率することになります。




しかし、私が2023年の堺市議会で万博を巡る質疑を行っていた時点では、2023年の「秋」に策定するとしていた「防災基本計画」「防災実施計画」も策定されていませんでした。にも関わらず、学校へは4月までに「遠足」として実施するのかを決めるよう市教委は通達していたのです。


年末ギリギリの12月26日になってようやく「2025 年日本国際博覧会 防災基本計画(初版)」が発表されました。しかし、「避難計画」の具体策はまだありません。


上町断層帯地震における会場内の被害の想定は、以下のように示されています。



人的被害が想定されています。


南海トラフ巨大地震等における液状化可能性予測は以下の通りです。



夢洲では、主に港湾や河川を掘削した際に生じた粘土質のしゅんせつ土砂で埋め立てるといった対策が講じられており、会場の大部分は液状化が起こらない想定となっている」


「それに比べて、咲洲及び舞洲に関しては、液状化が起こる可能性が高い」


驚きを隠せません。

夢洲が液状化しないとしていますが眉唾ものです。さらに、避難経路となる咲洲と舞洲が液状化する可能性ことは認めています。逃げ場が無いと言っているのと同じではないでしょうか?


このようなハイリスクな場所に、たくさんの人たちが集まり、さらに子どもたちが集団で来場する。その時に巨大地震が襲ったら…と考えただけでも恐ろしい。

教育長は私の大綱質疑で「教育委員会と学校が責任をとることになる」と答弁しましたが、ハイリスクをよそに遠足で行くこと自体が無責任です。


また、遠足で行くとなれば、家庭判断で「行かせない」と決めた児童生徒は「欠席扱い」となり出席日数にも影響が出ます。大阪府はこんな事業は中止するべきだし、堺市も毅然とした態度を取るべきです。


さらに大阪府は性懲りも無く、大阪府内の市町村に対して(市町村負担の)「2回目」の子どもたちの無料招待についての意向調査をしています。堺市の回答は残念ながら「検討中」。


仮に、同年齢層を無料招待するとなれば、堺市負担で約1億3300万円以上の税負担をすることになります。お金の面だけでなく、やはり災害リスクの面でも実施することは認められません。


この大阪府の動きの背景には、運営費が赤字になる可能性の問題があるのではないかと思ってしまいます。運営費の多くはチケット代。それを各市町村の財政でなんとか埋め合わせするつもりなのか…?

一方で、赤字になっても国も大阪府・市も財界も負担しないと明言しています。無責任の極みです。


1月1日の午後4時10分頃に発生した石川県能登半島地震。今こそ被災地支援に全力を注ぐ時ではないでしょうか。お金も資材も人手も不足しています。僅か半年間の万博。万博を隠れ蓑にしたカジノ誘致。万博・カジノ批判の声が大きくなるのは当たり前です。


日本共産党堺市議団は、今こそ被災地支援、市民の暮らし優先の堺市政に転換するために来る予算議会でも全力で頑張ります。