本日、堺市議会・予算審査特別委員会において日本共産党を代表し、永藤市政2回目の予算編成に対する総括質疑を行いました。

 

 大阪府市が企図するIRカジノ誘致は、コロナの影響で大幅なスケジュール変更が示されているにも関わらず、堺市はそのインパクトを未だ夢見て、ベイエリア開発に2年間で8億2千万円やそこに向かう新交通システムの調査に2千4百万円もの予算をつけています。しかし、コロナ禍で企業展開しようとする企業は皆無に近い状態です。その証拠に数年前にヒアリングした4社以外にヒアリングが進んでいません。

 

 企業投資促進事業では、優良企業の(株)クボタと(株)加地テックの固定資産税を17億7千万円減税また、新たな補助金制度で2億円交付します。何とさらに、「地域未来投資促進法」に基づき、上記2社に適用するよう堺市が事業計画を策定し、法人税の優遇措置まで行います。株価上昇中の大企業には2重3重に手厚い支援です。


 また、一人一台パソコン(GIGAスクール構想)を全学年一気に配置する事業は、リース終了までの5年間で69億円以上(うち国庫補助金が93719万円)。ランニングコストは毎年度10億円です。ところが、5年後以降の国庫補助があるのか不明だとわかりました。


「まさか保護者負担しないですね」


と確認すると、市教委や財政局をはじめ、永藤市長ですら、全く答弁できませんでした。市長は、「財政危機」と叫びますが、全く見通しの立たない事業には巨額の投資をしています。

 

 一方、児童自立支援施設整備に対しては、建設費35億円、ランニングコスト5億円かかるとしてコストを問題にし、大阪府立修徳学院内への新寮舎建設費を全額(3億円)負担する前例のない事務委託を継続します。ところが、実際には国庫補助金や交付税措置があるため、ランニングコストを含めても毎年度約47000万円程度であり、GIGAスクール構想への投資と比べ必要額は低くなっています。本当は、堺市立児童自立立支援施設を建設できたのではないでしょうか。

 

 いわゆる「広域一体化条例」についても質疑しました。同条例の第6条第5項にある「出席を求めるものとする」のうち「府内の市町村の長」との規定があります。出席を求められた場合、出席することを否定しない市長。ならば「堺市も範囲とするグランドデザイン大阪が対象となった場合、大阪府と大阪市の限定的な利害に他の市町村が巻き込まれる。堺市の意見の反映はどう担保されるか」と日本共産党大阪府議団同様の質問をしました。それに対して、市長は関係ない事ばかり喋って全く答弁できませんでした。


 市長は突如として「堺市財政危機宣言」を発出しました。しかし、質疑を通じて明らかになった「宣言」の目的は、従来型のインバウンド頼みの大型開発や大企業への減税を聖域にして、堺市独自の市民サービスを大削減するためのものでした。地方自治体本来の目的である「住民の福祉向上」を実現するために引き続き頑張ります。