1989年9月14日ー中秋の名月ー | LETTER

1989年9月14日ー中秋の名月ー

すでに季節は「白露」。

木の葉は、白い露を結び、

秋の気配がみなぎり始めるころだ。


それに、きょうは「中秋の名月」。

けれども、日中の気温は夏と変わらず、

夜なお、蒸し暑い。


もし、月が出ても、この調子では、さわやかな、

月見はできそうもない。


やはり「十五夜の月」は、すみ切った、

少し、肌寒さを感じさせる空に輝いてほしいものだね。


だが、月を走り抜ける雪を見るのは楽しい。

かつて長塚節という歌人が、「土」という小説に

こう書いている。


「夜のそらは忙しげな雲が月を呑んで

直ちに後へ吐き出し吐き出し走った。

月は反射に逃げつつ走った。秋風だ」


地上が暑ければ、せめて雲の動きを見て、

秋風を感じよう。


2012年9月

年々、残暑が厳しくなっている。

北海道でも記録的残暑だという。

やはり着々と温暖化は進んでいる。