1989年6月8日ーカレーの市民ー
ロダンの有名な彫刻に「カレーの市民」と
いうのがある。
上野の国立近代美術館の前庭にも複製の一つが
展示されているので知っているだろう。
カレーというのは、フランスの北端にある港町で、
ドーバー海峡を挟んでイギリスに面し、
将来は、ここを起点に英仏海底トンネルをつくる
計画もある。
百年戦争(1337年から約百年間続いた英仏戦争)
のとき、この町がイギリス軍に包囲されたことがある。
このとき、イギリス王は、6人の市民の命と引き換えに、
カレーの町を許すといってきた。
ロダンの彫刻は、自ら名乗り出た6人の市民が
イギリス軍の陣地に向かう姿を彫ったものだ。
しかし彼らの顔は恐怖、後悔、悲嘆に暮れていた。
雄々しい英雄像を望んだ市民はこの像に反発、
除幕されたのは完成7年後の1895年6月3日。
英雄も死ぬのは恐いのだ。
2011年6月8日
英仏海底トンネルは1994年に開通式が行われた。