1989年4月15日ー佐久間艇長ー
戦前、小学校の教科書に出てきた人物のなかで、
子供たちに、最も強烈な印象を与えたのは、
この人だろう。
「佐久間艇長(ていちょう)」
明治43年4月15日、広島湾で潜水訓練中だった
第六潜水艇は、ついに再び浮上しなかった。
そのころ潜水艦は、まだ小さく、潜水艇といった。
その艇長、つまり艦長の名が「佐久間」だった。
乗組員15人は全員死亡。
その後、引き揚げて調べたところ 、佐久間艇長は、
薄くなる空気の中を、最後まで、必死になって、事故の
一部始終をメモに書き残していた。
「(このメモで)将来、潜水艇の発達研究に尽くされんことを、
さすれば我等一つも遺憾とする所なし」
美談である。
だが、子供たちの多くは、これで潜水艦に恐怖を抱いた。
お父様も潜水艦は絶対イヤだと思ったものだ。