1988年11月30日ー遺体を鳥に処理させるチベットの鳥葬ー
人が死んだとき、遺体をどうするか。
世界には、いろにろなやり方がある。
一般的なのは、火葬(日本など)か土葬(ヨーロッパやアメリカ)。
焼いた灰を、海にまいてくれとか、山の頂上から、風にのせて、
飛ばしてくれとか、というのもある。
珍しいのは、鳥葬。
チベットでは、いまも行われている。
人が死んだら、山の岩はだの上に、置きっぱなしにされる。
すると、ハゲタカがやってきて、遺体は髪を残して、
すべて跡形もなく処理してくれるのだ。
ずい分、野蛮だと思うだろう。
しかし、チベットは標高3800メートルある。
そこには、火葬する木もなく、土葬にするための土もない。
鳥葬は、そうした風土が生んだチエなのだ。
合理的とはいえても野蛮とはいえない。
2010年11月30日
11月30日は、父の命日。
「この日に、鳥葬について書いていたなんて・・・」
と思うと、不思議な気持ちになる。
父はもちろん火葬だった。
葬儀の次の日、ふらっと入った森美術館で、
「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」 が開催されていた。
巨大な両面スクリーンに炎に包まれる男と水に打たれる男が
同時に現われ、消えていく・・・
あまりに幻想的で、無気味ともいえる
「クロッシング」という作品をみて、火葬された父が、
こうやって、あの世にいったんだよと私に伝えているような
そんな感じがした。