1988年7月4日ー闇取引ー
いまは、洋服やその生地は、おカネさえあれば、いくらでも買える。
けれども、戦争中は、そんなことできなかった。
外国から輸入することができない(中国に同情して、日本には売ってくれなかった)ので、物は減る一方。
昭和十三年六月二十九日、まず、綿製品が配給切符制になった。一人に、どれだけの生地と量が割り当てられ、しかも、政府がくれる切符がないと、布地も買えないのだ。
しかし、欲しいのは人間の心理。切符なしに、問屋などから、高いカネを払って買うものが相ついだ。
これを「闇取引(やみとりひき)」という。それ以来、「ヤミ」といえば、不正な方法で物を買ったり、売ったりすることをいうようになった。一番ひどかったのは「ヤミ米」。お父様が物を大事にするのは、そんな経験があるからだよ。