大学生の頃、いつも通っていたお店で、
年上の女性と知り合い、おしゃべりするようになった。
数か間、いろいろ話をしているうちに、
いよいよ
「こんどあんたの部屋に行くから。トレーニングさせてもらうよ。」
ってなことになり。
「あーーいいっすよ。」
と、余裕をもって言ってやった。
8畳間が2部屋あり、屋上も自由に使えるから、
私のところで、トレーニングをしたいという。
20才を僅かに超えたばかりの男が考えるに、
大人の女性が部屋に来るなんてのは大事件で、
様々な妄想が頭の中をグルグル駆け巡り
もしもの時に備えて、部屋を掃除し、
もしものために台所をピカピカにし、
もしものために布団のシーツを新調した。
そして、初めてその彼女が部屋に来た。
ジャージ姿だった。
いきなり準備体操と筋トレを始め、
さらに、私を練習台にして、格闘技系の技を繰り返した。
妄想が崩れそうになりつつ、私は、期待を込めて言った。
「これじゃー、色気も何もないじゃないっすか!」
しかし、彼女は言い返した、
「あんた、なにを勘違いしてるの???日体大卒よ。」
「は? は?」
「日本体育大学知ってるでしょ。あんたの先輩の○○○○とか△△△△とか一緒だったんだから。」
私にとって偉大な大先輩を呼び捨てにしていた。
その日以降、彼女とは、直立不動の姿勢で会話をするようになった。
