Side−A
ホテルに着き、フロントでカードキーを受け取ると、エレベーターに乗り込んだ。エレベーターには誰もいなくて、翔くんは僕をじっと見てくる。僕はなるべく視線を合わさず、エレベーターが止まるのを待った。
「ねぇ…まだ怒ってるの?」
甘い声が耳元に囁く。
此処に来る途中で、チョコの山は翔くんのお父さんが勤める法律事務所に置いて来た。
仕事のこともホテルに泊まることも事前に電話で連絡していたが、やはり顔を出しておいた方が良いと思い、立ち寄ることにした。それに、流石に撮影現場にまでチョコは持って行けないので、無理を言って預かってもらった。
それにしても、翔くんがあんなにもてるとは思ってもみなかった。あの光景がまだ僕の頭の中で渦巻いていて、言葉にならなかった。
部屋に入ると翔くんは鞄代わりのリュックを床に置き、ソファーに座った。
「翔くん、喉が渇いたでしょ?今カフェラテを淹れるから…」
「…うん」
そこまでは良かった。
「雅紀さん…」
カフェラテをテーブルに置いた僕の手を翔くんが掴んだと思うと、その胸に抱き寄せられた。
「えっ?ちょっ…ちょっ…ちょっと…ちょっと、待って?」
「ダメ!待てない!」
そりゃあ、勉強に差し支えるからと、なるべく会わないようにしてたけど、だからって…
「駄目だよっ!しょおくんっ!」
抗ったけれど、あっという間に服や下着を脱がされ、ソファーで激しく突かれた。
「はぁっ…はぁっ…」
息を整える暇もなく、ベッドに連れて行かれ、もう一度揺さぶられた。
「しょお…も…だめ…」
「まだ…だよっ…まさき…さんっ…」
色んな体位を取らされ、その度に翔くんの熱が僕を貫く…
「あっ…あっ…もう…イクぅ…っ!」
いつの間にか眠っていた。
ベッドヘッドの間接照明を点けて、辺りを見たら、翔くんが隣りで眠っていた。腕枕をしてくれていたのか、腕が赤くなっている。
そっ…と、翔くんの腕を彼のカラダの方に寄せようとすると…
「…ん?まさき…さん?」
「あ…ごめん、起こした」
「いいよ…。もう起きようと思ってたし…」
「晩ご飯、食べる?」
「ん…食べる」
眠そうにしながらも、起き上がり、目を擦る。
翔くんに背を向けると、後ろから抱きつかれた。
「まさき…さん、好き…」
「ふふ…分かったから、離してくれる?」
「ヤダ…」
「お腹空いてるんでしょ?」
「キスしてくれたら、離す」
…仕方ないなぁ。
『ちゅ…』
尖らせた唇にひとつ、キスを落とした。
だが、それでも足りなかったみたいで…
食事を終えた後、バスルームで僕はまた、翔くんに啼かされてしまったのだった…
…つづく。