9月になると思い出す。

 

 15年前の出来事を・・・

 

 家内が ある朝 起きることができなくなった

 

 あの時のことを

 

 1週間 全くその症状が恢復せず

 

 却って 症状は悪化していくばかり。

 

 そして 行きつけの病院で血液検査をし、

 

 その結果が分かったとき

 

 罹りつけの 先生は

 

「大学病院を紹介するからすぐ行きなさい。」

 

 と言った。

 

 赤血球に円柱が

 

 つまり 糸球体腎炎の疑いがあったわけだ。

 

 そして 大学病院で検査の結果

 

 「すぐに入院が必要。でも満床なので 空き次第優先的に入院してもらいます。

 

 それだけ急を要する 症状です。」

 

 と言われた。

 

  病名は国の難病に指定されている

 

 「急速進行性糸球体腎炎」

 

 一か月半の入院し 

 

 入院直後に「パルス」というステロイド大量投与による

 

 炎症を抑える手段を取った。

 

 その 手段をとるために書かされた

 

 「同意書」

 

 そこには 恐ろしくなりそうなほどの

 

 溢れんばかりの 副作用と後遺症の一覧。

 

 でも 家内ときたら

 

 「絶対に 回復して見せる。」

 

 といった 顔でいるんですよ。

 

 あのときの確信ある顔に反対できますか。

 

 全力で戦った後の結果には動じない。

 

 そんな 思いを無視できいないでしょ。 

 

 パルス後の症状は 回復に向けて少しずつ・・・・

 

 でも パルス終了後も 

 

 ステロイドを服用しながら

 

 様子を見ていきます。

 

 すぐやめられないのは

 

 ステロイドは普段は副腎というところで作られている。

 

 それを薬という形で体内にいれるため

 

 その間 副腎は機能を制限しているそうです。

 

 ですから 徐々に薬を減らしながら

 

 副腎の機能を回復する必要があるんだそうです。

 

 でないと 副腎が不全を起こし、

 

 「腎不全は透析により延命治療ができるけど、

 

  腎不全はそのまま個体死につながる。」

 

 と説明を受けました。

 

 担当の先生は とても若い先生で、

 

 何でも教えてくれました。

 

 家内が 退院の時も

 

 これまでの治療経緯と今後の問題を

 

 30分ほどかけてお話しくださいました。

 

 そして わたしが

 

「正直家内はやばかったんですよね。」

 

 と聞くと

 

「そうだったんだよ。よくここまで回復してくれた」

 

 と言っていましたね。

 

 そして 今後という話の時も

 

「どうなっていくかは正直わからない

 

 最終的に透析ということになったとしても

 

 そうなるまでの期間を引き延ばす生活をしてほしい。」

 

 ということでした。いちいちもっともでしたね。

 

 だから 私は

 

「できる限り ストイックに生活します。」

 

 家内も

 

「腎不全になるまでの期間を 伸ばします。」

 

 と言っていました。

 

 今現在 15年たって 症状は悪化していません。

 

 普通に生活しています。

 

 私も 塩分管理 タンパク質管理 神経質にならない程度で

 

 頑張っています。 味の濃いのが嫌いな私ですので、

 

 私が 料理を作ったほうがいいんです。

 

 家内にとっても 遠慮がないからです。

 

 それに 私にも 無理のない味付けですし

 

 健康にもよい。わるい事が一つもない。

 

 おかげさまで 10年ぐらい前 私は

 

 脳神経外科に検査入院したときも

 

 病院の食事がおいしくておいしくて

 

 味付けも完璧。

 

 だって 家の味より 濃いくらいでしたからね。

 

 今では その頃ほど 味は薄くはないけれど

 

 それでもね・・・・・・