昨日 ある番組で レナード・バーンスタインの特集をやっていた。

 

 改めてバーンスタインの偉大さ。人間として深さを再確認できた。

 

 大好きで 何枚ものCDを買っては今でもよく聴く音楽。

 

 でも 彼とはどうもすれ違いが多い。

 

 まずは 1978年来日を予定していた彼のコンサート行こうと

 

 高校生だった私は、

 

 音楽部の先輩に頼んで、

 

 東京の普門館での

 

 コンサートのチケットを取ってもらった。

 

 でもこの年、彼の奥さんがなくなり

 

 喪に服すという 理由で来日をキャンセル。

 

 彼の代わりに エーリッヒ ラインスドルフが指揮を振った。

 

 オーケストラは、ニューヨークフィルハーモニック。

 

 でも 驚いたのは、急遽 マルタ・アルゲリッチが

 

 プロコフィエフのピアノ協奏曲3番を演奏したのだ。

 

 バーンスタインでなくなったことは

 

 今でも残念だと思うが、

 

 この日はかなり満足な気持ちで、

 

 家まで歩いて帰った記憶がある。

 

 そして 1990年 7月12日

 

 レナード・バーンスタイン指揮 ロンドン交響楽団の

 

 来日公演のチケットが取れたので

 

 私と 私の母と 家内の3人で

 

 渋谷のオーチャードホールまで聴きに行った。

 

 確か 家内は 長女を妊娠してたな。

 

 少し目立ってきたお腹をしての演奏会。

 

 だから 長女もバーンスタインのラストコンサートを聴いたんだよね。

 

 その日は 渋谷に早目に着いて

 

 オーチャードホールを目指して、

 

 ぶらぶら歩きながら 夕飯を食べるためのお店を探し

 

 賑やかに繁盛していた とんかつ屋さんに入って、

 

 3人ともにロースかつ定食を食べたのは覚えている。

 

 (屋号は忘れた?いや はなから覚える気がない?)

 

 食べた後ですぐに コンサートホールへ。

 

 入り口で チケットを見せ 

 

 入ったすぐわきに 今日のコンサートのお知らせが張ってあった。

 

 コンサート内容の変更。

 

     ブルックナー 交響曲9番 から

 

     ブリテン    4つの海の間奏曲 

     バーンスタイン ミュージカル「ウエストサイド物語」から

                    シンフォニックダンス     

                指揮:副指揮者 大植英次

     ベートーヴェン 交響曲7番 に変更

 

 とあった。

 

 正直その時のショックは大きかった。

 

 前の年には 

 

 カルロス・クライバー指揮 

 

 ウインフィルハーモニー管弦楽団の来日公演のチケットが取れて大喜びであったが、

 

 キャンセル王 クライバー 

 

 案の定 その年の来日もキャンセルとなってしまった。 

 

 クライバーの代わりに、ジュゼッペ・シノーポリが指揮を振った。

 

 普通なら行こうと思うはずだが、

 

 その時はいつもとは事情が違っていて、

 

 当時 海外のオーケストラのコンサート代は

 

 S席で 12000円から14000円ぐらい。

 

 ウインフィルやベルリンフィルで16000円ぐらいだった。

 

 でも、このコンサートは、クライバーということもあって、

 

 なんと当時では破格の20000円を超えていた。

 

 「指揮者が異なるならそれなりの代金でないと納得がいかない」

 

 と思い、

 

 そのことを訴えて キャンセルをしてもらって全額を返してもらった。

 

 一年後、こんなことが重なるとは・・・・・

 

 ましてや 初めてライブで聞くはずだった

 

 ブルックナーの第9番。

 

 すでに4番 7番 8番は聞いたことがあったが、

 

 9番は生の演奏は初めてだったのに。

 

 しかも2曲目はバーンスタインの指揮ではない。

 

 入り口で結構な人が言い争っていたようだが、

 

 ここまで来ては残念というしかない。

 

 すごく悔しい思いを抱えたままコンサートを聴いた。

 

 そして とうとうあのみじめな思いにさせられたベートーヴェンの7番が・・・・・

 

 バーンスタインは コンサート後すぐにアメリカに帰国。

 

 帰国して3か月後にバーンスタインは72歳の生涯を閉じた。

 

 あの日の演奏は二度と聴きたくはない。

 

 死力を尽くしての指揮だったかもしれない。

 

 大好きだった、いや今でも大好きな指揮者だからこそ

 

 あの日の思い出はそっと心の中に閉じ込めておきたい。

 

 それにしても バーンスタインのブルックナーの交響曲第9番

 

 ウィンフィルの演奏で CDで聴くことはできる。

 

 でもいまだに 聴いたことがない。

 

 いざ 聴こうと思うと 地団太を踏んでしまう。

 

 あの日の苦い思い出があるからだろうか。

 

 でも 昨日改めて 自分の心の中にある

 

 バーンスタインの凄さが蘇ってきた。

 

 だから 今度 聴く機会があったら

 

 ブルックナーの9番に挑戦してみよう。