路頭に迷った僕たち | 『℃LUTCH』

路頭に迷った僕たち


Kは釧路出身で両親が離婚し
母と姉、三人で暮らしていた…

やがて母親は家出
姉と二人で暮らす中、生活に困り
Kは何のあてもなく札幌に移り
売り専で働きはじめたという

Kには居場所がなかったのだ…


路頭に迷った僕たちは
母親に事情を話し
部屋を借りる資金が貯まるまでと
実家にしばらく
居させてもらうことにした。


母はKを快く迎え
息子のように接していた…

母「K、今日お米炊いといてー!」

K「うん、わかったよー」

母「あんた、バイトの面接でしょ
これで(お金)写真撮っておいで!
履歴書は書いたのかい?」

K「うん、書いたよー!ありがとう」

二人のやり取りが嬉しかった
小言も言わず
受け入れてくれた母親に僕は感謝した…

あの時はありがとう…


しばらくして僕たちは
中央区へと引越し
日々、バイトに明け暮れた…

僕の中に「東京」って文字が
ずっと離れなかった

何故、そこまで東京にこだわっていたのか
漠然とはいえ
心の何処かで芸能の仕事を
諦めていなかった僕は
Kに「一緒に東京に行こう!」
と、話していたんだ…