(最初に購入したCD、この名演の品質比較にCDを導入しました)

 

40年前の1982年10月1日に日本で初めてCD(コンパクトディスク)が発売されました。当時は1枚3800円と高価でしたが、摩耗の心配や内周による音質劣化が無く、小型で保存場所を取らず取り扱いが容易などの様々な利点がありました。

当日、私はオーディオメーカーの派遣アルバイトとして「ダイエー赤羽店」のオーディオ売場におりましたが、CDプレーヤーとディスクを発売元の会社が見本として持参し、売場の店員の皆で試聴や操作をして新媒体を初体験しました。

ソフトウエア(ディスク)は少なく高価、ハードウェア(CDプレーヤー)も高価であり、普及には時間を要すると見て暫くは静観しました。

新譜はLP盤(12吋、33回転)とシングル盤(7吋、45回転)が主体でしたが、LP盤とCDの併発が少しづつ増え始め、CDのみの新譜が中心になり、更にはLP盤での既発売作品が続々とCD化されるに及びCDに切り替えたのは1988年の事でした。当時は既発売作品のCD化に際して余計な細工等を施す傾向があり音質の違和感がありましたが、やがてLP盤と同等か以上の音質を目指す方向に転換して現在に到っているのも嬉しい事です。

CD発売の40年前が1942年、世界中がSP盤を蓄音器で再生していた時代ですので、この40年間永続したCDは伝達媒体として優秀であると改めて痛感した次第です。

 

音楽史研究家 郡 修彦