久々にカセットテープのインデックスカードを作成しました。

外出時のヘッドフォンステレオ(ソニーWM-DD)用に新しく録音したテープの内容です。

1980年代(昭和の終わり頃)までは日本での音楽の記録媒体の主流はカセットテープでした。

オープンリールテープは高性能でしたが、録音・再生再生装置とテープが高価な為に一部の高品質志向者向け、ビデオテープを流用するデジタル録音装置もありましたが矢張り高価でした。

元々記録用のカセットテープを音楽用に向上させたのが日本であり、高性能テープを各社が開発し、高性能の録音・再生装置(カセットデッキ)も各社が鎬を削る時代でした。当時はレコードを購入するとカセットテープに録音して繰り返し再生し、好みの作品を集めた独自のテープも作成したものです。この時に内容を記入するのがインデックスカードであり、カセットテープに附属の品、別販売の高級品、関連雑誌の付録など多彩な品揃えがありました。

その中で、私が考案したのが写真のインデックスカードです。時に1980年(昭和55年)高校3年生、17歳の時でした。

ケント紙をカセットケースに合わせて裁断、曲数に応じて行間を設定、曲目は0、2ミリのペン、男性演者は青ボールペン、女性演者は赤ボールペンと決め、修正液は一切使用せず失敗時には最初から再作成との方針を決めました。ケント紙は数種類を比較、ペンは滲みが少なく芯の疲労が少ないパイロットのノートペン、ボールペンはインクのボテが少ないゼブラN-5100として、1984年(昭和59年)まではレコードと同じ数のカセットテープとインデックスカードを作成しました。その後、デジタル時代になりレコードを録音したカセットテープは全て処分、ラジオ番組の録音(エアチェック)と生録音とヘッドフォンステレオ用のみを残しました。

このカセットはSP盤時代の軍歌・愛国歌(戦時歌謡は戦後の造語です)をヘッドフォンステレオ用に録音した物で、1983年(昭和58年)夏に作成以来最低500回は使用しましたが、その後に良好な音源を多数入手出来た事と、調査研究が進み発売時期が特定出来ましたので、曲順を変更して新しく録音したものです。

そこで、インデックスカードも新規に作成するべく、保管のケント紙を裁断し、ペンは三菱のUNI PINを使用して久々に作業を行いました。多分、平成の間には作成していないので昭和以来です。20代前半と50代後半では肉筆も随分と変化しましたが、好みの音楽は全く変わっておらず、外出時には1983年に購入のWM-DDにて軍歌・愛国歌を聴いております。

 

音楽史研究家 郡 修彦

 

上が1983年、下が本年です。

下がパイロットのノートペン(現在では使用不可能です)