2013年9月1日

関東大震災から90年、体験者は90代半ば以上との時期になりました。思い起こせば40年前の関東大震災50年の日、始業式の後は防災訓練で小学校から避難場所まで移動しました。中野区立桃園第三小学校(現在の桃花小学校)から北口のサンプラザ前の警察大学校跡広場までで、移動後も中々解散が発せられず炎天下に長く居た記憶があります。それを耳にした当時69歳の祖母が関東大震災を回顧して、障害物の無い道路を遠足気分で歩くのと実際は訳が違うと訓練の無意味さを指摘しました。祖母は日本橋に遊びに行き震災に遭い、火災前の東京を神田・末広町・広小路・上野を経て谷中真島町まで帰宅した経験の持ち主でしたので、形ばかりの避難訓練は茶番に映ったのでしょう。現在では各地に震災経験者がおり、防災に関する情報も対策も40年前より格段に向上したのは心強い限りです。

音楽史研究家 郡修彦