2012年1月14日

本日未明(現地時間の昨夜20時)、イタリアのジリオ島沖にて座礁した客船「コスタ・コンコルディア号」に昨年末の12月11日から18日まで乗船しました。初めての航海で、船旅の諸々(良さ・悪さ)を知った船でしたが、4航海後に座礁し、全員脱出の惨事が起こるとは驚きでした。
乗船時に最悪の事態は一応想定、魚雷等による轟沈は可能性として皆無ですが、衝突・座礁・津波等による万が一の場合には荷物は見捨てねばならず、日記帳はシャツの内側に入れ、一眼レフ(高校時代に購入の32年使用)は本体とレンズを分けて外套のポケット、等と考えました。そして、冬の海に入らざるを得ない状況の場合は人生これまでと諦める覚悟を決めました。幸い、航海中は何の不安も無く、最終日のパレルモからイタリアまでが荒天で揺れましたが船酔いもせずに済みました。
今回の事故は出航直後、18時半からの夕食客(20時半からが2回目)の終りの頃で、船室に居ない客が半分近くおり、イタリアからの乗船初日の客が大多数であった筈ですから、電気が消えた慣れない船内では混乱が起きるのも必然でしょう。
写真を見るに転覆しており、引き起こして離礁し、廻航して修理は大変な事で、乗客の荷物の返却も如何にするのか、浸水区域の修復は如何に等と考えました。
船内の土産店で求めた船名入りのウィスキーグラスと、乗船中の勘定用カードは貴重な記念品になりました。夕食の席で同席の新婚夫婦も、新婚旅行での船が直後に惨事とは複雑な心境でしょう。
小生の人生は波瀾万丈ですが、今回も不思議な感がしております。

音楽史研究家 郡修彦