2010年1月4日

午前中は1月20日に愛宕山の放送博物館での催事の「SP盤で聴く名歌手たち」の諸々を行いました。これは毎月一回、午後二時からSP盤時代の歌手の代表曲16曲を紹介するもので、今回は大東亜戦争で戦病死された薄命の歌手の上原敏です。上原敏が所属していたポリドールレコードは戦後の工場火災に起因する廃業時の清算にレコードの原盤(金属製)を売却しており、復刻盤は全て市販商品のSPレコードから音を録音していますので、非常に音が悪いのです。レコード会社制作の復刻盤も、個人が自主制作した全集(制作当時入手し得た全作品を収録の大全集)も然り。そこで、今回は全16曲をSPレコードから小生の技術で再生・録音しましたので従来よりも格段に肉声に肉迫出来ました。CD8枚組位で上原敏の代表作品が復刻で出来れば、ラジオ放送や催事には大変に便利なのですが、何とか好機は到来しないでせうか。

音楽史研究家 郡修彦